残酷な無慈悲の中ゾンビは死体の上をのた打ち回る。柔らかな雲の下鳳仙が風に揺られて金粉を礼賛する人間をせせら笑う。第三世界の片隅に、現代と現実とが交錯している当たり前が公然と聳えている。確かな霊長の死に際を死角から見る者達はもう何処にも居ない。只火輪が回り月が照り大地が息づくだけであるのだ。創造主に比せば不変に、千歳に。
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