ホーム > 詩人の部屋 > あしゅの部屋 > 歪んだ愛

あしゅの部屋


[56] 歪んだ愛
詩人:あしゅ [投票][編集]


『強くなるから』
呟いて 突き放した

悲しみに染まった君の目を
見ないように、見ないように 俯いて


苦しくなって 辛くなった
逃げたくなって 泣きたくなった

だから、


突き放したのに 縋り付いた
縋り付いて 突き放した

それを繰り返して。



寂しそうに 悲しそうに
苦しそうに 辛そうに。
力無く微笑む君に 気づいていたのに

目を閉じて 耳を塞いで
世界を固く閉じて

心のどこかで懺悔しながらも
心の奥底で笑いながら


知らないフリをした。



許されるはずのない
たくさんの罪を。
それでも


君の心に居たいんだ
君の記憶に居座り続けたい。

薄れることなどないように
強く、強く 刻み付けて



どこか遠くに僕がいっても
この世界のどこからも『僕』が消えてしまっても

目をとじれば思い出すように
忘れる事など出来ぬように
君に強く思われるように




例えそれが憎しみでも
『僕』を忘れないでいてくれるなら

歪んだ愛で君を縛りつづけて。



2010/04/26 (Mon)

前頁] [あしゅの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -