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ゆなぎの部屋


[97] 痛みの不等号
詩人:ゆなぎ [投票][得票][編集]


辛いと吐き出した答えに
誰かが いつも 優劣を付けたがる

キミよりも、あの子が
あの子よりも、僕が
僕よりも、あの人が

他人の物差しで決めた答えに
果たして真実は宿っているのだろうか

確かに それはある意味で正解で
でも ある意味で不正解で

キミが出した答えだろう
キミの物差しで計らなくてどうする

「世界にはもっと、残酷なこともあるから」

確かに それはある意味で正解で
でも ある意味で不正解で

キミの人生でおきたことで
キミが辛いと感じたなら
それでいいじゃないか
キミは確かに辛かったんだ

吐き出す空気が酷く震えるほど
霞んで消えてしまいたいと思うほど
キミは確かに辛かったんだ
辛かったんだよ

その痛みを 僕らは知らないから
他人事でいれるけど
それはキミの人生で 酷く残酷なことだったんだ

僕はそれでいいと思うんだ
残酷さを知ったキミは
きっと誰かに優しくなれる
自分の物差しで決めた優劣で
誰かを否定したりしない
きっと優しく寄り添ってあげられる

辛いと吐き出した答えに
誰かが いつも 優劣を付けたがる

それこそ残酷な世界で
やっと見つけた幸せですらも
優劣をつけられる

それでも
キミがその痛みを知ったから
キミは誰かに優しくなれる

2013/08/27 (Tue)

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