詩人:soRa | [投票][編集] |
疲れていたのか
二人は素裸のまますぐに深い眠りに落ちた
孤独を抱え縋るような二人の暮らしは
互いの欲望だけが人間としての形をかろうじて保っていた
十代最後の冬
僕らが逃げ道に選んだのはガラスの小瓶に詰められた真っ赤な錠剤だった
幻覚幻聴が激しく二人を襲い覚醒した中での愛を互いの体にばらまいた
二人はそれを拾い集めるかのように愛し合い
また深い眠りにつく
朝を迎えると二人の孤独は静かに目覚めを待っていて
逃れようのない現実になす術もなく立ち尽くすしかなかった
灰色に縁取られた孤独
それがすべてだった悲しみの冬