ホーム > 詩人の部屋 > soRaの部屋 > 慈悲

soRaの部屋


[25] 慈悲
詩人:soRa [投票][編集]

悪意なき罪を犯し
善意なき正義に裁かれるべく
僕はお行儀良くその時を待っていた

だけど
何かを悟ったとでも言わんばかりの言葉を
素直に受け入れることは出来なかった

いったい何が分かると言うのだ
どうして答えが出せるのだろうか

すべての物事に理由付けするのは
いたって簡単なことだと
でもそれは理屈めいた言い訳に過ぎない

すべての矛盾
すべての出来事
人の心
ここに生まれてきた理由
そんな物の答えが見つかるとき
少なくとも僕の場合死を意味するだろう

裁きを受けるのもそれと同じ
むしろその後なのではないだろうか

どんなに尊い言葉でも
時にはぶあつい聖書のように
時には薄っぺらな写真週刊誌のように
人の心の居場所によって変わって行ってしまう

突きつけられた言葉の痛みが
その真意すら見えなくさせている事も
あるいは
人の心にうまく入り込み
操ることが出来たしても
それは範例にも満たない
凡例にすぎない

それでも必死になって答えを見付けようと
もがき苦しんでいるのは
決して死を求めている訳ではない
たどり着いた先の結果すら
受け入れる事が出来るかどうか
分からないから

さあ
裁いてくれ
取るに足らない半端な心を

受け止めて見せるよ

例えこの心が滅びようとも

2003/04/28 (Mon)

前頁] [soRaの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -