詩人:安曇 | [投票][編集] |
狂わしいほどの欠片が散らばっています
ひとつひとつは不恰好で意味なんてなく
たいていの人が見ることも気づくこともなく終わっているでしょう
あなたは、気づいてくれました
わたしという欠片に
わたしは気づけました
あなたという欠片に
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久しぶりにおもいっきり転んで足を痛めた
びっこ引いて歩く私を
周りの人はチラリと観ては通り過ぎる
痛いな、とゆっくり歩いてお家に帰ると
大丈夫?と心配してくれる人がいた
甘やかしてくれたとき
たまにはこんな日もいいな、と笑えた
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胸がざわざわした時
嫌な扉が現れる
奥の奥にある記憶の扉
悲しみや痛みばかりの扉が
開きそうになる
ため息の鍵が扉を開けそうになった時
私は目をつぶる
こんな時もあったと扉をなでて
昔の自分を褒めてあげよう
あの時の悲しみや痛みの先に今があるから
あの時を頑張ったから今があるから
扉が開いても観ないふりをしなくなった時
少しだけ強くなれた
また、現れるんだろうな
この扉はずっと私の中にあるから
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泣いて泣いて泣いて
嫌だと叫んでいる女の子
もう何が嫌なのかもわからなくなって泣いて
優しく諭す人にも怒って
何もかもが悲しくなっていた
言葉は届かず、涙で隠して
そんな時は何も言わず抱きしめて
落ち着くまでトントンして
こんな時もあるよね、と諦めてあげて
そう、時間はかかっても必ず泣き止むから
優しい温度に安心するから
泣き叫べるうちに泣けばいい、と笑ってあげて
泣き虫の私は何度親を困らせたのかな
ほら、涙が引いていく
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白く重い空に
ぼんやりと光る月
ひとり、月を見上げて酒を飲む
満月でも、十五夜でもないけど
月見酒は心にしみた
明日はきっといい日になるよ
ぼやけた月を見ながら
今はこのまま
このままで
お酒に映ったほやけた光をちょびちょび飲もう
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嫌だってあの子が泣いて
嫌いだってあの子は言う
やだやだ、と怒ってみたり
えいえい、って叩いてみたり
そんなに嫌ならこっち来なければいいのに
そう思ったこともある
でも、違うんでしょ
気づいて欲しくて
かまって欲しくて
こっちに来て、私を観て
そう言ってるんでしょ?
素直に言葉にしてくれればわかりやすいんだけどな
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風に吹かれてどこにいく
風に吹かれて思い出す
涙を飛ばしたあの日を
涙を隠したあの時を
気づいてた、気づかないふり
わかってた、わからないふり
目の前の分かれ道
あなたとのお別れを
夢をまとったあの人を
止めることなんて出来なくて
風に吹かれてどこに行く
風に吹かれて思い出す
あの日隠した私の涙
風に含まれているのかな
だからこんなに切ないの?
風に吹かれて思い出す
風に吹かれて思い出す
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空いた穴に何を置こう
きれいな花
可愛いぬいぐるみ
何を置いても
穴をふさいでも
この痛みは無くならない
それでも、せめて素敵なものを置こう
自然と痛みが治まるまで
あなたとの日々は
全てが痛みではなかったから
幸せだったこともあるから