詩人:安曇 | [投票][編集] |
もういいかい?
陽は落ち、薄暗い
僕らの秘密の帰り道
田舎の街、川原の近く
一本道の土手の上
いつも僕らはいつも一緒で
一緒が当たり前だった
時は過ぎても
いつも僕らは一緒に過ごす
自然に僕らは
〈愛しい君〉に変わりゆく
誰も入れない
僕らの秘密の帰り道
誰も知らない
僕らの秘密の帰り道
もういいかい?
まあだだよ。
二人が離れる時は
僕らの心が壊れる日
―もういいかい?
日は落ち、薄暗い
僕らの秘密の帰り道
田舎の街、川原の近く
一本道の土手の上
僕らは二人で一つ
一つを離す方が悪いんだ
ゆっくりと歩いてこう
何処までも、空の道
―もういいよ。
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必死で君を追いかけた
三年前の僕の影
忘れたくて
仕舞いつづけた箱のなか
日々は
過ぎ
今、君と二人きり
不思議に僕ら、二人きり
あんなにも愛しくて
いつもどこか切なかった日々が嘘のように
自然に君と歩いたり
自然に君と話したり
日々が過ぎた今
僕はわからない
君の気持ち
僕の気持ち
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歩くだけ
そう、ただ歩くだけ
君との夕方デートは歩くだけ
車も電車も使わない
自転車だって使わない
ただ、あの道を歩くだけ
でもね
今思い出すことは
君と一緒に歩いたことばかり
手を繋いでゆっくりと
道草くってゆっくりと
少しでも時間が過ぎないように
君の温度を感じてゆっくりと
ねえ、覚えてる?
何も無かったけれど
何処にも行けなかったけど
本当に愛しい時間だったの。
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薄明かり
そこに君がいなくなり
薄明かり
僕の心が沈んでく…
夕方過ぎの肌寒い
風にふかれ想いをはせて
辺り一面緑が広がる
田舎と呼ばれる愛しい街
君が好きだと言った
土手に一人歩いてます
まるで、空につながるような
君と僕の道
夕日が沈む少し前
薄明かりに二人きり
ただ
それだけのデート
薄明かり
君と歩く道はきらきら輝き明るく光る
薄明かり
そこに君がいなくなり
薄明かり
僕の心が沈んでく…
―君が好きだと言った
土手に一人歩いてます―
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卒業って言葉だけで
妙に力があって…
好きなものから
離れなくちゃいけない言葉
夕日に染まった放課後の教室
静かで居心地が良かった音楽室
校庭からは部活の声
あの人の横顔も
もう見れない…。
あの、校庭にいたのに
入学って言葉だけで
妙に力があって
新しい世界に飛び込む言葉
見たことない、少し古ぼけた体育館
教室も、どこかよそよそしい
不安と希望だなんて
人は言うけど
私の場合は不安しかなかったよ
校庭にあの人はいない
新しい学校に少し怯え
少し大人の先輩を見てみる
―楽しそう
あっ
今、心が動いた
新しい世界に
新しい感情
私はゆっくり歩きだす
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ちょっとだけ懐かしいメロディー
静かに耳を傾ける
変わらない切ない曲に
ちょっとだけ変わった僕
懐かしいと想うことが
妙に淋しくて
心が締め付けられる…。
あの時の感情と
ちょっとだけ変わった今の僕
はまらないパズル
一つだけ開いた小さい穴が
ちりちり痛みだす
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溶けゆく脳と一緒に
僕も溶けてしまえたら
消えゆく魂必死で握り
握る僕に悪魔の囁き
【逃げちゃえよ】
【離しちゃえよ】
【消えたいんだろ】
【辛いんだろ】
【さあ、俺も一緒にいるからさ】
―悪魔は僕の中にいる
離す理由を探してる
消えゆく事を正論付ける
理由を僕は探してた
溶けゆく脳と一緒に
僕も溶けてしまえたら
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風で舞散る花びらが
妙に刹那に感じ入る
桜は不思議に
散った後の
花びらさえも
綺麗で切なく心に残る
枯れた声
伝わらない言葉が
もどかしい
失い気付く
平凡の有り難さ
車の中
一人の空間に癒される
何も考えられないくらいに
頭を一杯にしたくて
必死に知らない道を行く
花びらが刹那に宙に舞散り
静かに地面にかえってく
桜は不思議に
散った後の
花びらさえも
綺麗で切なく心に残る