詩人:安曇 | [投票][得票][編集] |
あの頃はいつも、
冒険したいねって囁いては小さく笑って
いつか、二人でしようねって
柔らかく指切りしていたね。
二人で見る星空は、
いつもいつも綺麗で嬉しくて
どっちが先にオリオン座を見つけられるか競争したり
星座で、知っているのが
オリオン座だけだったけど、
いつもいつも、
オリオン座は綺麗で、楽しいものだったね。
流れは速く、止めることはできず
二人は流れに流されて
嫌でも年を重ねていった
まるで、あの指きりが幻のように
薄れて、薄れて・・・
今では、
夜空を見上げることも無くなり
冒険なんて、自分には無縁な世界だと決め付けた。
星空も、まるでただの飾りのように
見向きもしなくなったこと
ふっと思い出しては悲しくなって
今では、滅多に会わなくなった
君を想う。
あの頃は、当たり前のように
いつも二人くっついていたのにね。
会おうと思えばいつでも会える、と
会わなくなっていった二人。
星空も、あんなに綺麗で楽しかったはずなのに
冒険したいねって囁いては小さく笑って
いつか、二人でしようねって
柔らかく指切りしていたあの頃には
どんなに願っても戻れないけど、
いつか、を二人でしようよ。
私は、携帯電話のボタンを押した。
『ねえ 冒険しようよ、二人で。』