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霧緋の部屋


[9] 君と一つになった瞬間
詩人:霧緋 [投票][得票][編集]

君は最後に笑った
涙で滲む僕の瞳をしっかり見つめて

掴んだ手は既に冷たくて
僕の心まで凍らせた

月明かりの下
君と交わしたサヨナラが
何度も
何度も
頭の中を駆け巡る

明日は笑って会えるから
サヨナラは悲しくなかった

だけど
もう…
僕に明日が巡ってきても
僕に同じ朝が明けても
君には明日はなくて
君には朝は明けなくて

視界は突然真っ暗になった
人混みの足音も聞こえなくなった

その瞬間は君と重なっていたけれど
いつのまにか僕の目や耳は元に戻った


だけど
君は
戻らなかった

2006/08/14 (Mon)

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