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ジャンの部屋


[3] 月夜のお墓
詩人:ジャン [投票][得票][編集]

墓石にとまった蛍は言った
 なぜあなたはここにいるの?
彼は答えた
 此処に眠る女を殺したから
空に傷口ができて女の血が降ってきた

地下に眠る女の霊が言った
 なぜ私は死んでるの?
彼は答えた
 君の膣から臓腑が流れ出たから
空の傷口から女の身体が堕ちてきた

女の身体は蛍を殺して言った
 あなたと私は同じ闇の中
彼は叫んだ
 僕は君に呪われたからとても苦しいよ
彼らを覗いていた月は涙を流した

女の名が刻まれた墓石が言った
 彼女をもう一度殺せ
彼は叫んだ
 何度でも殺してやりたいよ
女は彼に臓腑を差し出し吐血した

別の蛍が墓石に言った
 おかしな夫婦もいるもんだ
彼は言った
 これは孤独なお月様の夢なんだ
月が地平に沈むと彼らは消えた

2014/01/03 (Fri)

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