土に寝ころぶ私。固くて冷たい土。頬で感じる、無数の命が蠢く感触。溶けてゆく私。腐った肉が殺げ堕ちて、露わになった骨。栗色の髪は深く、深く土に食い込んでやわらかな根へと。ぽっかり空いた眼禍に映る青い、青い空。あぁ、なんて青い空だ。あぁ、なんて青い空だ。ふちどられた棺の中で朽ちた身体が唄う最期のラウ゛、ソング。もう二度と唄うことのないラウ゛、ソング。誰の耳にも届かないラウ゛、ソング。
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