詩人:日月子 | [投票][編集] |
何かを犠牲にしながら
大人になるのなら
それはとても
悲しいことです
―あの頃のあなたの
無知な純真さや、
頼りなげな美しさは、
もう戻らない。
甘い後悔も…
さよならも…
風に
解き放して
思い出を胸に沈め
帽子のツバをなおして
歩いてゆこう
Your
Precious
Birthday
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哀しい程の
恋をして
あふれ出すのは
涙
ばかりでは
ありません
抑え切れない
強い願いが
わきおこるたびに
なにか
形に
ならないものが
ペンによって
綴られる
永遠に残る
何か
になる
のです
それは
人知れぬ涙の様に
静かに流れて
紙のうえに落ちて
影
を残す
誰でも
恋するものには
分かる
一つの
呪縛
の様なものです
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空想は
甘く果てしなく
夜は
あまりにも短い
いっそ
飛び起きて
電話でも
いいんだ
君のオヤスミで
眠れたら
すべて
うまく行くのに
欲しいものと
手に入るもの
は
違うんだよ
なんて
得意のセリフ
つぶやいたりして
甘い
感触に
目覚ましを
かけるけど
まるで
心臓のヨコに
あたらしい
ハートが
できちゃった
みたいに
理性とは
まるで
関係なく
夏の
毒を
注ぎ込まれた
憂い
青色の
血が
トクトクと
身体を
巡ってゆく
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夏の始めに
目を覚まし
甘く色付いた
果実が
揺れている
春の暖かな
陽射しは
ゆっくりと
熱を帯び
やけつく視線に
なりました
頬を撫でる
風
コットンの
手触り
熱い
砂
貴方の心は
自由ね
都会の冷気より
貴方の冷たい泉で
クールダウン
しましょう
甘く匂う
パッション・
フルーツ
貴方の眼差しで
目を醒まし
触れられて
赤く色付き
囁きで
甘くにじんだ
キスで
揺れている
情熱の
果実
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wild cherryに
指先を染めながら
ノドを鳴らして
こう思う
今が一番
楽しいんだよ
アキコ
手に入りそうで
入らない
手に入れたくて
遠い
近くて 遠い
遠くて 近い
遠いようで…
もう手の内
と、
舌なめずり。
Wild
American Cherry
指先を染める
舌が赤くなる
種を
ぺっ とはきだす
My cherry baby!
ワイルドで陽気
でも危険で
切ない
wicked
black cherry
今年初めて
好きになった味
赤い血のような
果汁の
小さな木の実
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いっしょにいよう
遠く
遠くへ出かけよう
君の
意識の中の
過去の灯を消して
君の
今と未来を
独り占めしたいんだ
君の記憶の翼が
届かないくらい
遠く
追いつかないくらい
速く
この世の果てまで
出かけよう
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あなたを
記憶の中から
締め出して
思いがけない
花束のように
あなたの便りを
受け取れたら
いいのに
いつのまにか
心のアンテナは
高く高く伸びて
あなたの電波を
拾おうとして
遠く…遠く…
遠くまでさ迷う
空気のように
水のように
あなたへの想いは
私を満たす
生かす
恋、を、
している
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月夜にひとつ
指輪かざす
我ひとり
ずっと大切に
している
この
月長石の指輪
私の指先に
その
長い指を絡めて
“俺の
チョーカーに
つけたら、
良くない??”
少し甘えた声で
アナタは
欲しがった
―今では昔のコト
笑ってダァメ、としか
言わなかったけど
―貴方は
いつか去っても、
―この指輪は、
…残るから。
胸に刻みついた
孤独は
解って
もらえそうに、
…ないね。
Moonstone
Solitude
Moonlit
Standing
…今は、
ひとり
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1時間2分44秒の
最後の電話
熟された時間が
ゆっくりと
層を成して
流れ去った
目の前を
浮かんでくるのは
ありがとうとか
頑張ってとか
大事だとか
綺麗な言葉
ばかりで
自分の涙だけが
いつもより
温かかった
あなたは
知らないでしょう
私の恋の日々
つむいだ夢の数
見上げた
月の眩しさ
消えた溜め息の
重さも
胸が 痛くて
苦しくて
貴方の白い車で
どこまでも
逃げたかった
二人きりで
追いつかれない位
もっと遠くへ
帰れない位に