詩人:るどるふ | [投票][編集] |
今日はなんてよい天気なんだ
それだけで幸せだと思える
背負い込み過ぎるのは悪いくせだなんていうけど
これが僕の基本性能なんだから仕方ない
けどそれでも天気がいいと良い気分になるなら
まぁそれはそれでよいのじゃないか
意外と悲観的でもないんじゃないか
それ位で良くなる気分があるなら背負い込み過ぎぐらいがちょうど良い
重いくらいが歩みも確かだし
軽かったなら空なんてみなかったんだから
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大人になりたいと願った
僕の心は一生住むには狭すぎるから
大人になりたいと願った
それそこの歳になり
人を傷つけることにも自分を傷つけることにもなれてしまいそうな自分がたまらなくいやだ
まわりの「大人」たちの腑甲斐なさに一抹の不安と安堵を感じながら
僕は切に願い続ける
幻想を追い続ける
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うまくいかない
どうしようもないものばかり数えて泣いてた
なんて小さく惨めなんだろうと
夜が怖かった
自分の手さえ判然としない闇
こんな小さな存在が抗えるとは思えなかった
あの頃は世界が広かった
無限の星々さえ一括りだったんだ
世界はいつからか収縮を始め
僕はこの世界に耐えられるようになった
もう夜も僕も世界も怖くなくなった
怖くない
けどなんだろう
この焦燥感は
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月が目隠しをされたよる
天井は刻々と高さを増し
いつしか私は広い世界に一人横たわる
ほしいものはここにないもの
ここには何もないのだから
私は私を抱き締めて眠るしかない
広い広い四畳半の無限
月の目隠しが取れる頃
私に抱かれた私は夢を見るのでしょう
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雨上がりの帰り道
雲を脱いだ太陽
足元には水溜まり
そこに浮かぶ深緑の葉
すべてが新しく生まれ変わったみたいだ
いくつもの雨が上がる度僕達は生まれ変わる
少し濡れた服を脱ぐ度に少し強くなるんだ
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防波堤に座って沈んでく夕日を見てた
驚くほど早く落ちる夕日に君は目を赤く輝かせて「きれい」といったね
どれほど長い間僕らはこうしていただろう
すぐ近くにある君の手も触れられず
辺りが星達に包まれる頃には
二人の関係も少しは変わるかな
このままでもいい
このままじゃいけない
打ち寄せる波音に心を重ねてみても
砕け散るくらいならいっそ暗い夜の中へ…
けど近すぎる二人の距離がもう僕を許さない
今日はこのまま帰れない
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雨の夜が好き
雨音が雑音を払う
曇り空が辺りを消す
雨の香りばかりが漂う
そして世界は僕だけになる
滴る雫の冷たさが何もない世界に僕だけを鮮やかに残す
僕は僕を知る
境界線の曖昧な昼の世界じゃ僕はあまりにおぼろげだ
僕は僕を取り戻す
そしてまた昼の世界が帰ってくる
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ふと泣きたくなった
わけもなく意味もなく
何年ぶりかに頬をつたう涙
忘れてた
涙がこんなに温かいなんて
多分そうなんだ
涙で洗い流れる傷も
泣かないとカサフタになる
心に後が残る
多分そうなんだろう
今流れた涙は残った傷跡を流せただろうか
けど温かい
今はそれだけで十分
それだけで十分だろう
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僕はなんて幸せなんだ
とるに足らぬことで『最悪だ』と言う
道の途中で『もう後がない』と嘆く
世界には食べたくても食べられない人がいる
そんな遠い話じゃない
僕は僕の可能性を全うしようともしない
僕は多分幸せなんだろう
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自分に足りないもは何かっていつも足元ばかり気にしてた
拾ったものは手当たり次第背中のリュックに放り込んだ
気付かないうちにリュックはいっぱいになってて
けどまだ足りない気がしていつまでも探し拾い続けた
詰め込んだリュックは穴だらけで入れるより早く宝物は出てく
気付いたときにはもう遅かった
けど何がほしかったんだろ
そういやほしいものは落ちてなかった
拾い集めてたんじゃ何も始まりはしない
自分の中に確かにあるもの
拾うんじゃなく見つけなくちゃいけないものだったんだ