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ちこの部屋


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詩人:ちこ [投票][編集]

今 途轍もない壁にぶつかっている
     なにか 果てしなく 厚い壁に

そして 言い様もない不安と孤独感を抱え
     毎日をひたすら耐えている

        今に耐え ただ明日を待っている



先が見えない 辿り着く場所さえも何もかも
その壁が大きすぎて 僕が小さすぎて




そんな膨大な壁が 僕を地へと突き落とす




      寒さと月明かりが 涙を誘う
          この地に一人佇む僕を襲う


何故だろう 星がこんなに寂しいものに見えるのは
何故だろう 世界がこんなに静かなものに思えるのは



そこはまるで地の底のようで
       僕は駆け出した
        わけもわからぬままに 





その先で見たものは  太陽そして風 広がる草原

        この地は生きている そしてこの僕も



激しい音が僕の体を駆ける
    なにか熱いものが 胸を締め付ける





壁は確かにそこにあった
   
    大きな厚い壁が



    

       僕が壁にぶつかったあの時
           選択肢はなかったんだ

月と星だけの世界 それが僕の答えだったのかもしれない
  狭く暗い世界 それが僕だった


世界を動かすもの それは力じゃない
          答えは  心だった

   白を黒と思うのも 黒を白と思うのも
              それは僕だった




歩き出せばいい 先のことなんか考えなくたっていい
ただ 心に従えばいい






鼓動が聞こえる 

     心の声が聞こえる

 

  声は
        ―すすめ―    と
 


僕の前には壁などなかった
     あったのは 心の声を塞ぐ壁だけ



―君の世界はすぐそこだ―
        声は僕を進める


    


              遥かなる旅路へと         

2006/01/15 (Sun)

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