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地獄椅子の部屋  〜 投稿順表示 〜


[1] 黒童
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擦り減らしては尖らせて。
削られながらもフックを離すな。

子供ながらに描いてた。破滅的願望の絵空事を日記にして、毎日のように、世界への復讐計画、したためた。
人類滅亡の日を、刻んで刻んで、飽くこと無き幻想のスクリーンに映写した。黒い旋律の序曲。


胸にも居ない両親の面影。影のように朧ろ。
密やかに呼吸する肺の機能が、明日という日を形成する。

シュールな悲しみを誰が止めるのだ。
名前がいけないのか。
苦しい、父よ、俺はまだ生きている。
淋しい、母よ、幸福という文字が、俺の脳を酷く渇かすのだ。


今日も人を壊した。
日記の中では、あいつもこいつも、もうヒトデナシだよ。
丸くならないように、俺は鉛筆の芯を真直ぐに鋭利に伸ばすんだ。

生まれた刻から鳴っている、黒い旋律。
悩ましき序曲。
どんな協調も、俺には許されぬ。

強く抱きしめよ。
どんな愛の歌よりも激しく、クロスオーバーする俺の波動。
温い風潮を冥土へと、送り出せ。

…俺ガ子供ダカラッテ皆ハ笑ッテイルケド、ソノウチ手遅レニナルゼ。


日々成長スル俺ノ波動ガ、オ前等ニ闇ノチケットヲ手渡ス事ニナル。


今ノウチ笑ットケ。

今ノウチ笑ットケ。

2005/12/13 (Tue)

[2] 黒き闘争
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永遠に逢う事無き貴方に湧き出る慕情。
過剰なる欠落の欠落的構造が、フラジャイルを鮮明に浮き彫りにする。
誰も手を離してはならぬ。其の琥珀の記憶を。誰も誰も。
忌まわしき苛酷な危機を凌駕するまで、そして不健康なる心身にまつわる来歴を読解するまで。

沈鬱なる空に、慕情は馳せる。
其処に貴方が風雲のように佇む事を祈願しながら。
俺は地上に束縛されて、この巨大な書物のような世界で、一枚一枚と呪われたページを破棄する。

永遠など誰が創ったんだ。
それ自体が孤独を宿命付けてるじゃないか。
辛苦が信仰を誕生させ、宗教の根源に不幸が有り、神と弱者が密接に関係しているとしても、古来からの秩序から逸脱した者に、何がもたらされるのか。

長い長い渡り廊下で、俺は宇宙を見上げた。
芸術的表現のみ、我が闘争の生命。

ルサンチマンの歴史が、悲劇性の頂点に達した刻、取り零した真実。
そして夢魔は、脳髄を操作し支配する

永遠に逢えない貴方が、笑った後に泣いたのは、俺の詩の所為だ。

許せ、マリア。

2005/12/13 (Tue)

[3] 黒揚羽
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冷たい風が身を引き裂く季節。俺のかじかむ手にはボロボロの紙幣のみ。
散歩がてらに拾った野口英世が握られている。
なんてファッキンな都市生活だ。
こんな紙切れ、どんなに節制しても五日もあれば消えちまう。
生きる事の営みに、逆らえないまま、どんなに能書き垂れても空腹にゃ勝てやしない。
なぜかこれだけ、ガキの頃からこのハーモニカだけは片身離さず持ち歩いてた。
決して巧くはねぇが、気が向いた時、吹いてみるんだ。
そんな時にゃ俺も、旅人になった気分になれるのさ。

思い出す。思い出す。
あの日幻のような黒揚羽。
俺のメロディに誘われたのか、春風に乗って、どこかからおいでなすった。
俺が人差し指を一本、すっと前に伸ばしてやると、黒揚羽はその指に止まったんだ。


今日もまた穴だらけのポケットから取り出す、汚らしいハーモニカ。
空腹を紛らわすように、曲なんてデタラメだ。
そしたら北風に乗ってビニール袋が飛んで来て、俺の顔面に覆い被さりやがった。
チクショー、何しやがんだ。と腹立てた後、袋の中身を覗いてしまった自分が、惨めでみすぼらしくて。
なあ、俺の気持ちが解るか。野口英世さんよ。
もうすぐアンタを手放さなきゃならない。中華まんと引き替えに。

雑踏に紛れて、ハーモニカを吹く。
白い視線は感じれど、拍手の一つもありゃあしねぇ。
今夜は今冬一番の冷え込みだと、どっかのラジオで耳にした。

黒揚羽よ。いつになったら飛んで来る。

2005/12/13 (Tue)

[4] 黒い罪状
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俺を馬鹿にした女を、俺は犯した後に殺した。

愛という真実に捧げし生け贄が、教壇の前に貢がれる。

ステンドグラスからは、残酷な色の光が差し込み、この一瞬だけ、教会の空気は冷ややかに豹変する。

俺の罪は神の罪。
愛の導きに従い、それを実行してみせた。
法の名の下に、裁かれる日が来たとしても、俺は何も省みることはない。


あの女が俺を蔑ろにしたのだから、責めるべきは女の方だ。
俺の任務は愛。
それに背徳する者あらば、相応の罰を与えるのみ。


殺した後、実は笑ってしまったんだ。返り血を浴びながら、こんなもんかと拍子抜けして、無意識に笑ってしまったんだ。

命って軽い。
それは脆弱で、簡単に奪えてしまう。
俺は笑った後恐くなって平常心ではいられなくなった。
肉体という砦に守られた命は、偶発的な出来事によって、易々と消えてしまうから。
目前の死が他人事とは思えなくなった。


教会は不気味なくらい静まり返り、生理的な嫌悪感を覚える。
世界には誰も居ないかのような戦慄が、ふと背筋を凍らせる。


真っ白だった服は血染めの真紅色に染まりきって、俺の罪状を決める裁判がいつか訪れるなんて現実感は、皆無に等しかった。

全裸の女の死体は、一緒に鐘を鳴らす相手がいたというのに無表情のまま、ステンドグラスからはもう光が差さない。

2005/12/25 (Sun)

[5] 精神暗黒街
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ドブネズミが核実験の犠牲となった。ドブネズミが核実験の犠牲となった。ドブネズミが核実験の犠牲となった。

バロック調の音楽が誰に聴かれるともなく群衆の中に流れた。バロック調の音楽が誰に聴かれるともなく群衆の中に流れた。バロック調の音楽が誰に聴かれるともなく群衆の中に流れた。

俺のペンが人をまた傷付けた。俺のペンが人をまた傷付けた。俺のペンが人をまた傷付けた。

警察上等。
警察上等。
警察上等。

知らない間に狂ってく。知らない間に狂ってく。知らない間に狂ってく。

性欲処理の緩い君。性欲処理の緩い君。性欲処理の緩い君。

笑えるよあいつは自慰の天才だ。笑えるよあいつは自慰の天才だ。笑えるよあいつは自慰の天才だ。

子供と子供が殺し合う。子供と子供が殺し合う。子供と子供が殺し合う。

テロリストは禿げだった。テロリストは禿げだった。テロリストは禿げだった。

彼女は純愛に泥沼です。彼女は純愛に泥沼です。彼女は純愛に泥沼です。

畜米に尻尾振り穴を掘られた。畜米に尻尾振り穴を掘られた。畜米に尻尾振り穴を掘られた。

日本は倒産しました。日本は倒産しました。日本は倒産しました。

借金父さん大慌て。借金父さん大慌て。借金父さん大慌て。

正義は何処?正義は何処?正義は何処?

あそこに赤がいるよ。あそこに赤がいるよ。あそこに赤がいるよ。

鼻痒い。
鼻痒い。
鼻痒い。

地獄椅子なんかにゃ誰も座りたかねぇよ。地獄椅子なんかにゃ誰も座りたかねぇよ。地獄椅子なんかにゃ誰も座りたかねぇよ。

こちら泣く子も黙る精神暗黒街。こちら泣く子も黙る精神暗黒街。こちら泣く子も黙る精神暗黒街。

幼稚な俺が創造した避難場所。

2005/12/16 (Fri)

[6] 黒色クレヨン
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商業主義に呑まれてロックなんてもう、ナイフじゃなくなったのさ。
退屈十番街。凍り付く世界。ノイズが足りなくて、必死に探した。9mmの傷と4滴の涙を、クリーム色した砂に埋めた。もう白いスニーカーは買わない。増歪する笑顔しか俺には似合わないから。電波障害が常に脳波を左右する。ソフィスティケートされたトータルコーディネイト。奴隷的屈辱。安いコンドームは無いですか。娼婦が孤独を売るのです。赤子がドラッグに溺れるのです。老婆が猫の脚を切断するのです。浮浪者が食物を奪い合うのです。障害者がプルトニウムを隠蔽するのです。黒いクレヨンだけ減り続ける、胃潰瘍患者。




臆病なだけだった。



2005/12/18 (Sun)

[7] 黒心中
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悲しい。悲しい。悲しい。淋しい。虚しい。嬉しい。愛しい。悲しい。悲しい。淋しい。君。僕。淋しい。淋しい。悲しい。虚しい。愛しい。君。嬉しい。僕。止まらない。止まらない。想いはエンドレス。止まらない。悲しい。淋しい。虚しい。嬉しい。愛しい。君。僕。想いはエンドレス。止まらない。君。僕。あああ。悲しい。あああ。悲しい。あああ。淋しい。君。嬉しい。僕。愛しい。想い。重い。止まらない。重い。悲しい。淋しい。あああ。あああ。君。僕。世界は終わらない。終わらない。あああ。悲しい。淋しい。止めて。終わらせて。誰か。君。僕。あああ。終わらない。エンドレス。想い。世界。重い。世界。止まらない。君。終わらない。僕。君。僕。悲しい。悲しい。エンドレス。あああ。淋しい。苦しい。何で。悲しい。淋しい。何で。終わらない。悲しい。愛しい。誰か。止めて。重い。世界。君。僕。終わらせて。何で。エンドレス。嬉しい。愛しい。あああ。虚しい。淋しい。あああ。ずっと。ずっと。悲しい。淋しい。虚しい。愛しい。苦しい。あああ。ずっと。ずっと。あああ。君。僕。エンドレス。

2005/12/18 (Sun)

[8] ブラックワルツ
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いつ
いかなる時でも
貴女が必要な時に
俺は窓を開けるよ
どこを切り取っても
青い空が
見えないのなら



ワルツを踊ろう。脚が腐るまで。涙を流そう。雨が止むまで。
ワルツは美しい。涙も美しい。俺らだって美しく見えるはずさ。
フロイトが提示した俺の精神鑑定は、ブラックホールと云う結果が記されていた。
男たらしの貴女が、俺と踊る廻る跳ねる。時間を測る砂の時計が止まってしまった。貴女が魔王に連れ去られてしまうかのような不安が、心を重くした。


青い空が
見えないのなら



ワルツを踊ろう。涙を流そう。砂時計が止まっても。美しく美しく美しく。今だけ。


光さえも閉じ込めるブラックホール。スクラップにされた未来、シェイクスピアのような悲劇。俺の英雄は人間臭くて異端染みている。


踊り廻り跳ねて。俺らは確かにこの世界が美しく見えたように感じた。

例え涙で歪んでも。

2005/12/18 (Sun)

[9] 嘘・黒・鼻
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愛と呼べる確かなものなど俺にはないから、鼻だけがやけにどんどん伸びていくばかりだ。
権力と呼べる確かなものなど俺にはないから、貴女を傷付けないと、強さが足りないように思えてくる。
愛してる、と言うほどに俺の鼻は伸びてゆく。
ブラリとダラリと、長く黒く、ピノキオのように嘘を付けば付くほど。


「好きなんだって」思い浮かんだ口笛の旋律を奏でても、届くはずない。

まだらに続く道の途中、交差することなき、運命線。

流れる鱗雲に目を奪われて、貴女を忘れそうになる。

綺麗なだけの愛の歌。優しいだけのオーロラ。温かいだけの日溜まり。
全部嫌いで虫酸が走る。

どす黒い衝動に潰される二人称ゲーム。無意識のジョークがナンセンスを演出する。勝負する為の土俵に来い。セメントに埋め立てたセルマソング、ぐちゃぐちゃに散らかったままリピートして。


俺の爛れた鼻が、嘘の臭いに過敏になる。


嗚呼、人間て奴ァみんな、気さくに偽りを許すんだ。


みんな。


みんな。


タダイキルタメダケニ。


俺の嘘・黒・鼻は許せずに。

2005/12/22 (Thu)

[10] 黒いベル
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今日もシャブ打ちゃ

黒いベルが鳴る

嗚呼 うざってぇ

この倦怠…




2005/12/22 (Thu)
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