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地獄椅子の部屋


[16] 黒い果実
詩人:地獄椅子 [投票][編集]

意識、感情、思考、自我。脳、心、魂。
モザイクの世界で、最も難解な謎は自分の奥にある。

小便臭い餓鬼が一丁前に詩もどきを書いてる。
惚れた晴れたのすったもんだのエトセトラを、称賛し合っている。

誰でも詩は書いていいのか?
誰でも表現は許されるのか?
誰でも芸術は創れるのか?
この怨念がずっと消えないように、地獄の門を叩き続けるんだ。
叩いても叩いても返事はなくても。

餓鬼すらも恋をする。
地獄の艱難辛苦に身悶えしながら。
脳内エンドルフィンの分泌がもたらす、幻覚症状を天国だと錯覚して。

さあ温かいよ。
ボードレールの華散る庭で、黒い花弁に囲まれて、浮き世の涙を流しましょう。

喩え真実に背いても。
禁忌や罪悪だとしても。
オリュンポスの神々の怒りを買っても。


嗚呼 黒い華よ。
甘い毒に麻痺する。
秘密の香気が包む。
お前って。
お前って優しいんだな。


たわわに実り、やがては落ちる、黒い果実が熟れる頃。

2005/12/27 (Tue)

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