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地獄椅子の部屋


[44] 荒廃の地、黒の祈り
詩人:地獄椅子 [投票][編集]

おい いつまで
そんな自慰を
続けるんだ
辛い?
苦しい?
切ない?
だから何?
垂れ流しの感情を
見せびらかされて
こっちは迷惑してんだ
そんなもの
人様の前に晒すなら
自分で処理したらどうだ
詩が
詩が汚れちまう
詩に
詩にもっと愛情を

脈々と流れる詩の川
それを腐乱させて
君たちは
ドブ川にしようと
しているのかい

発表したからには
必ず誰かが読むんだ
大量生産大量消費
そんな扱い
コンドームなら
良しとしよう

誰が詩を守るんだ
俺はこの詩で問う


詩は鏡
自分そのもの
低俗な詩や
思慮を欠いた詩
詩には何も
罪はない
悪いのは
善良な仮面を被った
甘ったれや道徳家


ここはどこ?
ここはどこ?


詩人の部屋
詩人の部屋


どこに詩人がいるの?
どこに詩人がいるの?


いいえ どこにも
いいえ どこにも




みんな見てるか
最後の牙城
守るべき砦が
今 音をたてず
崩壊しようとしている

悲しいですか?
嬉しそうだぞ

そもそもそんなこと
気にしちゃいねぇ


これは書き手のみの
問題なんかじゃない
書き手と読み手
両者が考えるべき
問題だ


我が祈り
荒れ果てたこの地にて
聖なる川が
侵されてしまう現状
戦わずして嘆く者に
杞憂を感ず
百年後…否
十年後に於いて
詩は
詩はまだ
生きているのか

俺が殺させやしない
俺は詩を愛してる
嘘のない想いを
ここに記そう


消えないように
消さないように


頼む
俺は詩が読みたい
ただそれだけなんだ

2006/03/17 (Fri)

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