志しがあったわけではないが、僕はまるで再起不能になった。何故だか起き上がれない。──ウン、ウン、唸っている。さて、数時間特段強い想いがあるわけではないが、戸棚にある筈の茶菓子が食べたくなってきた。起きる事が出来ないのは大変不便だ。──うん、うん、僕は悩む事をし始める。そう、そうだ、志しが無くとも夢など無くとも立ってさえ居れば とりあえず何処かに向かえる。──まずは茶菓子、そしてお茶だな。うん。
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