夢を描いていた筈なのにね、君が描く絵はどこか、シビアな造り物に為り初めていた。誰かにかける優しい言葉の定義と、夢を目指す美しさを語った戯言がさ、まるで商業主義の安売り笑顔のようにそこに並ぶんだ。今なら安くしときますよ、えぇ、えぇ。本当はさ、描きたいのは自分の夢だっただろう。他人の望むような言葉なんて、そろそろ分からなくなってきた。
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