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春が薫る新月の真夜中
真っ白な紙に
書かれた真っさらな名前
初めまして
さようなら
七夕の夜
習いたての字と左手で
知りたいと書いた
夏に燃やして
秋に枯らして
冬に閉ざした後
私は春にまた一つ
逞しくなった
急いで
急いで
月が点滅しはじめた
七夕の夜
真っ赤な短冊に
右手で会いたいと書いた
恥ずかしかったけど
寂しくないように
私の名前も並べて隣に書いた
ちょっとだけ春が
遠くに感じた
月は点滅している
偶然を装った無言電話
夏をどこかへ追いやって
同じ名前の秋が笑う前に
短冊を燃やして
月はもうすぐ満ちるから
季節を告げるイワシ雲
雨の匂いと朝の空気
手が冷える頃になればきっと
急いで
急いで
空をかけっこ
あなたの後を追うように
月が欠けてゆく
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一秒一秒に
何かを感じている
たった一言が
壊してしまう関係もある
一目見て
もう一度見て
それから目が離せなくなることも
簡単には切れない縁を
気付かずに築いていることもある
うちにかえるよ
ご機嫌ななめ29度
アンテナは常に双方向
電波は開放しているから
100パーセントの感情をちょうだい
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3回ループして惚れ込んだ
5回目のループが雪崩れ落ちて
ついに声が聞きたくなった
SOSとSOS
電波に乗せてぶつけたら
どんな音になって返ってくるのか
ちょっと試してみたかっただけ
スタジアムテディと唄う
真夜中の赤い糸
Now i'm 17才
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星が見たくなって
ベランダから覗いてみた
四角い空間に物足りなくなって
ベランダから飛び出した
寒空に中指たてながら
にやにや笑って喧嘩売る
やっぱ突っ立ってても勝てない気がして
しし座流星群に会いに行った
裸足で蹴るアスファルト
どうしても今夜話したいから
夜の校舎の喧騒と
コンクリの隙間に散る花の香り
光のクレパス
懐かしい人がいる空
8月生まれ
8月死に
ベストポジション
その背中の隣