線路の先に光る朝日を追いかけてみたいと思った。並べた靴にきつめに巻いたマフラー鈍く輝く鉄の路は白く凍った素足と同じ温度赤い頬を色の無い爪で引っ掻いて温めるために吐いた言葉は薄紫の空に白く煙る噫、と。砂利の上に落ちた私の欠片はそれから動かなかった。正面にはオレンジ色の空、真後ろには赤紫の空。おはよう。今年もよろしく。
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