詩人:tyuuya | [投票][編集] |
干潮のおかげで雑魚は皆、虚ろな目で太陽の光に吸い寄せられ、人も又残り60年足らずの歳月を持ち、地に足つかなくなってしまうとは、これまた腹を掲げて笑ってしまう。ゲーテのファウストにもそれぐらいの年月がかかったらしいが、俺は厭世者であるから、そんなこと知ったことではない。
質量保存は遺伝を表し、太陽はいつまでも笑うことは無いであろう。
不条理。あの裁判にムルソーは冷静を保たせてみせた。彼と俺とに何の差異があろうものか。
俺は額に汗をかき続け、地に塩が拡がっていく。それまさしく血潮がふさしかろう。
神父のキリスト論は彼の前で砕け散り、彼の涙というものは血潮に過ぎぬ。
太陽の周りを地球が回り回り、私の結論はムルソーの殺人前の描写が大好きであった。