笑うと、それほどつぶらでは無い目が糸屑のようになってしまう。口っ端も釣糸だけでかかってしまった雑魚のように鈍くさく、鼻穴も元々広かったのが、棒で突っ込まれた程の大きさになっていた。そんな中で些か誇張出来るのは、小さな石を埋め込められる溝であった。そこから流れゆく枯れ気味の滝は、非常に塩辛く、人が飲み掛けの汁を棄てると、赤身鮪が降っていく。無愛想な人が珍しくこの光景を見て、「森林浴にも出掛けたいねぇ。」蝉の声が強く建物へ反った炎天下の頃であった。
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