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ユズルの部屋  〜 投稿順表示 〜


[351] 生まれたときの
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生まれたときの景色を
初めて見る色を
やわらかいぬくもりを
鮮やかなわたしの世界を
もし思い出せたなら
もう一度 生きる気持ちに
なれるのかな?

生まれたときの心
心はおなじで 大きく違って
ちいさなちいさな手を
伸ばした先のみらいは
今は もう光らないの?

生まれたときのこと
思い出せたなら
きっと涙あふれて
すべて洗われていく
そんな気がするの

2016/06/06 (Mon)

[352] 星の夜
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星の影になったときは
いつもひとりで
瞼をおろしているけれど
今は少しちがって

ぽつり、ぽつりと控えめな唇から
聞き漏らしてしまいそうなほど
微かな声が 零れ落ちる
その行方を 瞳で追いかけながら
指先だけ 触れていた

この夜には ふたりきりみたいなのに
もっともっと大勢の人が それぞれの場所にいて
青い星は それらを乗せて
不安定に ぽっかり浮かんでいる

ぽつり、ぽつりと零れた声は
とても小さいけれど 流星群が 渡るあの場所まで
もしかしたら 辿り着いて
遠い街に 降り注ぐ光かもしれない
指先から 伝える
魔法じゃない 魔法で

2016/06/19 (Sun)

[353] さようなら
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さようなら 世界
さようなら わたし
さようなら 今日から もう
此処には 来ることはしない

ずっと前から そうだったのかもしれない
とうに薄緋色の心は 此処ではなくて
湖の向こう側の 空の中で呼吸していた
ずっと前から そうだったのかもしれない

さようなら 世界
さようなら わたし
さようなら もう
誰も泣かなくて いいように

2016/07/01 (Fri)

[354] さいごの不思議
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砂浜に寄せる波のきわ
鮮やかな色の爪をした裸足のあし
こんな色とは アンマッチなことを
平気で 脳みそは 考える

泣きながら 目が醒めるわたしと
ペディキュアを 塗るわたしは 同じ
未来なんていらないわたしと
先の心配で 動けないわたしは 同じ

さいごの逃げ場所は いつもそこにあると
そう思って 楽になれるんだと
勘違いの果てに 周りをガラスで覆われた

ガラスの世界を 受け入れること
ずうっと恐れたことが わたしを助けるのかも
そんな不思議が 繋がる糸から
瞬きの間に 溢れて きらめくということ

永遠に 消えない星が
生きるということなのかもしれないということ

檻だと思っていたものが 広い草原で
檻の向こうの憧れは 怖い怖い湖だったこと

死に触れることが
生きるきっかけになること

きょうの涙が 恵みの雨になること

さいごの不思議は
いつ訪れるのだろう
消える灯火は
穏やかであるといい






2016/07/12 (Tue)

[355] あなたの唄
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あなたの唄を 聴いたとき
本当にね わたしの身体の内側から
光が 溢れ出していくような
そんな気が したの

乾いて 渇いて 枯れたわたしの真ん中に
まだこんなに 柔らかな光があって
わたしの命の 尊さを想った
あなたの唄が そうさせた

宇宙にばら撒かれた 雲間の星たち
きっとあなたも わたしも それを持っていて
できるだけ優しい光を かわしながら
こんな夜を 歩いている

あなたの唄を 聴いたから
不安定な 土を 踏みしめて
あの日 射した光の 温度を握りしめ
この世界で 生きている


2016/07/12 (Tue)

[356] 雨になる
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暖かい窓辺の 優しい雨になる
もう一度 あなたを 優しく包む
涙も 微熱も 痛々しい火傷も
洗い流す 柔らかな 音


純粋さに 傷つけられた 朱い鼓動
頭をもたげる期待が ナイフよりも鋭い
金ぴかのつめたい糸に
足を絡め取られて 転んだ
流れたものは 生きる証拠として襲いかかり
震える声を 恨む 愛おしい 魂


だれよりも 飢えて いつも泣いている
あなたは いるべき 大切なひと


暖かい窓辺の 優しい雨になる
もう一度 あなたを 優しく包む
涙も 微熱も 痛々しい火傷も
洗い流す 柔らかな 音

2016/07/12 (Tue)

[357] 
詩人:ユズル [投票][編集]


あなたの内側で
暗い青と 蛍光イエロー くすんだ緑
淡い紫 柔らかなブラウンに 激しい赤
たくさんの 色が
混ざり合っているのが見える

ときたま 真っ白になって 真っ黒になって
あなたは 瞳を くるくるさせて
震える指先を もう片方の手のひらで
ぎゅっと 握りしめている

わたしには 見えている
それは慈悲や 優しさではなくて
微笑んでわたしは あなたを見つめている
美しいものに 惹かれているだけ
光に群がる 虫のような生き物
あなたは 美しい
わたしは目を 離せない
その美しさに とらわれた生き物

2016/07/24 (Sun)

[358] もっと
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瞳を閉じて 開いて 繰り返し
しましまの きらきらの景色を見た
白い 白い どこまでも白い場所に行きたい
遠い知らない 不思議な街で生まれたメロディーに
いつも いつだって 誘われている

死んだように 紡ぐ日々の 現実から
つかの間 離れて 引き寄せられる 優しい声
おどろくくらい 密かに ぴたりと寄り添う
もっと もっと 宇宙を追いかけたり
星の涙の理由を 探し求めたい

ありがとうと さようならを繰り返し
ゆらゆらと 揺れる不安定な毛布のうえ
もっと もっと 行けるかなあ
うさぎの夢を 一緒に見たり
みずうみが光る瞬間に 触れてみたい

2016/07/31 (Sun)

[359] おろかな生き物
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心を 言い当てた みたいな
優しく やわらかい 詩
それとか ステキな音楽で
命をつなぐ

このときめきだけで
命をつなぐ
ぼくらはそんな 生き物さ
今までも これからも

2016/07/31 (Sun)

[360] 暖かいなみだ
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音楽や写真が好き
窓際の可愛らしい雑貨が好き
穏やかな午後のカフェ
コーヒーと紅茶は少し苦手で
少し頑張るカフェラテが好き

どうして そんなことを 忘れてしまったり
言えなくなってしまったり するのかな
色褪せてしまうなんて つらいことだね
かわいそうで なげいて 悲しいことのほうが
大きく ふくらむ

ねぇ 知っているでしょう?
喜びの味 優しさの味 幸せの味を
いちどくらいは きっと味わったでしょう?
それは 長い旅路の中で 霞んでしまうけど

音楽や写真が好き
窓際の可愛らしい雑貨が好き
穏やかな午後のカフェ
コーヒーと紅茶は少し苦手で
そこに君がいればなお嬉しい
流すなら 暖かいなみだがいい

いつだって みんな
流すなら 暖かいなみだがいいね




2016/08/03 (Wed)
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