詩人:ユズル | [投票][編集] |
ポップな色したキャンディ
ばらばらにちらばった
君がおかしそうに笑った
本当のはじまりだった
気付かれてはいけない
かわいらしいほうがいいでしょ
君を振り回してあげるわ
なのにおかしいな
わたしを振り回さないでよ
星降る舞踏会の夜
君がキラキラの仮面を
したり顔で奪いとった
逃げても追ってくるから
もっと速く逃げたら
ハイヒールが痛くて転んだ
君は優しく笑ってた
ああ なんで嬉しそうなの
本当はこれっぽっちも
自信なんてないのに
それでもこっちがいいって言うの
振り返るからそこにいてよ
はじめて瞳を覗きこむよ
ファンファーレは今鳴って
風船が飛び立っていく
詩人:ユズル | [投票][編集] |
振り返らなくていいよ
鍵かけた扉
立ち止まっていいよ
ゆらぐあしあと
もう二度と君を
感じられない
必ず 剣を持って 行く
同じ海を 染めていく
もうひとつの夕暮れ
濡れていた頬
変わらない朝焼け
君のいた場所
もう二度と夢は
混ざり合わない
必ず 剣を持って 行く
同じ海を 染めていく
必ず 追い付いて 行く
同じ海に 沈んでいく
詩人:ユズル | [投票][編集] |
足首に付けられた
無機質な鉄の輪から
繋がる鎖の先を
私は知らない
裸足だから
冬が冷たい
綺麗なものばかりを
君が集めてるのは
届かない思想じゃなくて
脆い夢を見てた
どこまで歩けるかしら
鎖の長さがわからない
操られてはいないけれど
少しだけ力を感じる
雪が降ったなら
誰かが靴をくれるかな
綺麗なものばかり
私に見せるのは
届かない思想はなくて
脆い共感だった
詩人:ユズル | [投票][編集] |
日だまりの中の木の椅子
老人は気配を感じて振り向いた
同じように歳を重ねた
深い柔らかな声を聞いた
その音はなお聞こえていて
空気を震わせて確かに届く
彼はしっかりとしていて
緑の丘も秋の空模様も
筆を持って描けるだろう
絵の具を選んで
老人の隣に老婦人が腰掛けた
そうしているだけの時間だった
彼らは確かに覚えていた
遠い日の夕焼け空
暖かな季節はそこにあった
そして今も残っているから
あなたはどんな顔をしていたかな
わたしはここにいるけれど
あなたはどんな顔をしていたかな
わからなくなることがあった
老人はふと切ない瞳をする
まだ迷ってしまうのだ
長く生きてきたけれど
これから続く道と
歩んできた道の
その間を生きている彼は
そんな感情をどうにかする術を
持ち合わせてはいないのだ
詩人:ユズル | [投票][編集] |
嫌いなもの
早過ぎる時計
気分屋の友達
張り付けた自分の笑い声
真っ暗闇は好き
そうして生きればいい
気付かない無垢
現実を飾り立てる虚無
いつのまにか失くしてた
いつのまにか壊れてた
それならそのままでいい
拾ったり貰ったりせずに
消えるだけで終わるなら
簡単なセカイです
詩人:ユズル | [投票][編集] |
また今日も
決まった時間に
耳障りな音で目が覚める
また今日も
ひとつひとつ
時間を組み立ててる
窓辺には
何も舞い降りない
みんなひそかに
期待してるのに
流れをとめない針を
打ち破るみたいな
そんなことしないから
眠らせてよ
どんな気持ちで
窓辺に夢を賭けて
薄汚れた世界に
気付けば紛れ込んでいた
流れをとめない針を
打ち破るみたいな
そんなことしないから
ゆっくりと
穏やかに
眠らせてよ
詩人:ユズル | [投票][編集] |
君に会えた
そんな夢のような
偶然の日差しを見た
殺風景なはじまり
奪っていくよ
通過列車の風
あっというまに
何も変わらない気がしてた
同じ高さの雲の中
可愛い鼓動の日々を
無性に愛しい空を
次の列車がすぐにやってくるまで
夏が過ぎた
あんな夢のような
切ない日差しを見た
同じようなさよなら
詩人:ユズル | [投票][編集] |
いつだって
深い瞳をたたえて
かわいらしい羽が似合うような
素敵なひと
涙はつたって
届くでしょう
あなたの微笑みが見えるよ
積み重ねた痛みも
果てそうな叫びも
ぜんぶ優しさに
変えられるってこと
あなたが教えてくれた
きれいごとではなくて
誰よりも優しい
包まれていたよ
さようなら
いつか会いにいくよ
詩人:ユズル | [投票][編集] |
綺麗な夢を持って
冷たい橋のうえを
おそるおそる歩くのは
とても疲れる
憂鬱な闇を
はらすのは一瞬だ
君の空気
ただ楽しく笑うよ
いろんな道を
きっと見てきたんだろう
足の裏を傷つけながら
そうして君をつくる
無償のぬくもりが
世界に広がれば
素敵だと思ってる
詩人:ユズル | [投票][編集] |
色とりどりの通りには
暖かな光がさしていて
輝いていて
とても愛しかった
綺麗ごとは通じない
路地の真ん中にいたって
辛く痛い想いをしたって
あのひとは ただ
消えゆくなかでも
きっとみんなを
繋いでたまなざし
優しき人よ
素直な心で愛したい
花よりも可愛く
空よりも気高い
海よりも寛大な
あのひとみたいに いつか
I'll cover you !