吐いた息が 雲みたいに染まる両の手 紅い指先を 絡ませて澄んだ夜の空を 見上げればオリオンが 変わらぬ姿でわたしを 見下ろしている季節はずれの 淡い花びらがうそみたいに 舞い散るこの瞳に 心に 焼き付けたいのに人は 忘れてしまうのかな時計盤を駆ける 針がとまればいいどうか何処にも 辿り着かないでこの花びらの中で ずっと触れるか 触れないかの距離で願いごとは空に架かる光に 吸い込まれていく
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