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ユズルの部屋


[354] さいごの不思議
詩人:ユズル [投票][編集]


砂浜に寄せる波のきわ
鮮やかな色の爪をした裸足のあし
こんな色とは アンマッチなことを
平気で 脳みそは 考える

泣きながら 目が醒めるわたしと
ペディキュアを 塗るわたしは 同じ
未来なんていらないわたしと
先の心配で 動けないわたしは 同じ

さいごの逃げ場所は いつもそこにあると
そう思って 楽になれるんだと
勘違いの果てに 周りをガラスで覆われた

ガラスの世界を 受け入れること
ずうっと恐れたことが わたしを助けるのかも
そんな不思議が 繋がる糸から
瞬きの間に 溢れて きらめくということ

永遠に 消えない星が
生きるということなのかもしれないということ

檻だと思っていたものが 広い草原で
檻の向こうの憧れは 怖い怖い湖だったこと

死に触れることが
生きるきっかけになること

きょうの涙が 恵みの雨になること

さいごの不思議は
いつ訪れるのだろう
消える灯火は
穏やかであるといい






2016/07/12 (Tue)

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