詩人:快感じゃがー | [投票][得票][編集] |
○は、○。
君は
そう言うでしょうが
彼がもし
△に
憧れていたとしたら
どうでしょうか
彼は
△になりたいのです
彼は
○である
自分が嫌いなのです
それなのに
○は、○でしか
ないのだから
誰からも
○としか
認識してもらえません
そして
その苦痛は
彼を
苦しめるだけでした
○として
そこに
いなければならない
彼のかなしみは
とても
とても深くて
根強くて
他の誰にも
理解してもらえない
痛みでした
だから
彼は
決めたのです
自分を守るために
決めたのです
△になるまでは
○をやめようと
そう、決めたのです
彼は、
ええ。
本当に
信じていたのです
少しでも
△に近づければ
自分は、また
あの日のように
笑えるんだと。
本当に
信じていたのです
きらきらした
眼差しで
わたしを
見つめた夜を
わたしは
まだ
忘れてはいません
忘れられるわけが
ないのです
さて。
この話の
つづきを知りたいですか
ですが
残念ながら
それは、ありません
わたしが
知っているのは
ここまでなのです
彼は
まだ、
△ではないのです
でも
相変わらず
○を拒んでいますよ
△になる日を
夢見ています
そんな彼は
愚かでしょうか
ただの
不幸な男でしょうか
それは
私には
分かりません
けれど、
△になる日は
いつか
くる気がしています
彼が
信じて
思っている限り
彼は、
△に
なれるのではないでしょうか
はて
あなたは
どう
思われますか?