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快感じゃがーの部屋


[1619] 逆立ち少女
詩人:快感じゃがー [投票][得票][編集]




逆立ちの少女。

足早に街並み過ぎて
気球に連れ去られて

何処か、見えなくなった



悲劇のヒロイン気取りは
お空の真ん中で
やっと、結ばれたってわけだ

「この虚しさ、
どうしろというんだろう...」



彼女は云った。

無心になれるもの、
意味のないハナシ、
他愛ない悪戯

そんなことが好き



けれど、
あたしを奪えるものは

この世の何処にも
存在しない。って



貴女の言葉は、一体
どれ程の若者を魅了し
洗脳させたのか

少女の指先から
出る魔法は、いつも

現実の裏返しだったんだ



然れど、
貴女はこうも云った。

時は流れる
世界は変わりゆく

人の心もみな、変わりゆく。と



愛して止まない貴女を
腕に抱いた少年は誰でしょう?

祈りの言葉を遮ったのは
誰でしょう?



それでも、彼女は笑って言うんだ。

彼は、あたしに
幸せを創り出した

そして、あたしは
彼の幸せを創り出す

彼に奪えないものなんて
この世の何処にも存在しない。



この矛盾を如何して
人々が愛すのか

誰も、きっと解らない

夕暮れの街を見下ろして
闇に溶かしてみても、

きっと解らない



そう

明日にサヨナラするのは、
簡単なのだ

だから、彼女は
また唄うんだろう



心撫でるその風は、

人間の君になら
わかるはずだろ?



長い逆立ちのあとで
天地をひっくりかえしたら

本当は
生きたくてたまらないと

やっと、気付いたんだ。



2012/04/15 (Sun)

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