詩人:快感じゃがー | [投票][得票][編集] |
今振り返れば、
ただの笑い話だけど
あの時、私は
本気で死のうと思っていた
薄れてゆく
記憶の中で
18歳を迎えたら、すぐ
自殺マニュアルを買って
とにかく
早く楽になろう
私は、よく頑張った
それだけを考えて
泣きながら、
冬眠するクマみたいに
悪夢に堕ちた
白状すると、
リストカットなんて
したことはないし
やりたいなんて
思ったこともない
(だって、傷跡残るし)
詩に多く
引用してみたりするのは、
最も分かりやすい
心の弱い人の
代名詞のようだから
更に白状してみると、
首吊りも飛び降りも
オーバードーズも
私はリアルに
考えたことはない
(むしろ、
薬は風邪薬しか
飲んだことない)
だけど、
いつも頭には
死と詩があった
子供の頃からそうだった
なんとなく
死にたいとか
面倒くさいだとか
得体の知れない
その先に、
「逃避できる何か」が
待っている気がして
私は、いつも
そんなことを呟いてた
気づけば、それが
口癖になってた
あの日、
先生が私を
死なせたくないと言って
抱きしめたとき
この両腕を信じても
いいのか、と少し迷った
だけど先生は
所詮、先生
妻子が大事だから
そういうことはできない、
なんて
いきなり突き放された
その時から
何かが大きく変わってしまった
大人って、
身勝手で我が儘な生き者
私も、今じゃあ
その一部に入ってしまうけど
いまだに引きずってる
年上の呪い
私は、いつもいつも
先生を好きになる
人生の先輩で
時々、友達
恋人、父親、お兄ちゃん
そんな気紛れな愛を
ただ、ただ
私は手に入れたくって
同い年の男の子が
ちっとも
素敵には見えない
そんな
みじめな病の途中