詩人:快感じゃがー | [投票][編集] |
天高く、
金木犀馨る季節
如何お過ごしでしょうか?
私は元気です。
星の見えぬ都会の空は、
物寂しい画
でしかなく
願い事を三度、
呟くのも
まやかしの様なもので
けれど、私は思い出せません。
あの広い宇宙の中で、
雲をよけ
如何にして、
星が光を伝えたのか。
どんな顔をして
そこに在ったのか。
私には、もう思い出せないのです。
それは、
いつの間にか
素直に泣き喚くことを
忘れてしまった
理屈ばかりの大人にも似ていて
それでも、
私は
そうだと言える
度胸すらもないのでしょう。
宙に浮いたまま
漂う答えは
いつも貴方に
行き届いてしまい、
結局は、
胸に燻って
その火を絶やすことがないのです。
そして
こんな、迷路の様な夜には
思い出します。
貴方のことを
貴方の背中と
はぐれてしまった日のことを
憶い出します。
独り、佇んで居ます。
揺らめくのは
今も、なお
貴方を思うが故の
孤独の渦で
でも、
きっとそれを私は
貴方には告げられない...。
白けた世界を
喩えば、
縁取って囲っていたとして
それが
貴方を護っていたことには
ならないと嘆くなら、
私には、もう
何にも出来なかったと
認めるのみで
後悔は濡れて居ます。
雨の中、傘を投げて
同化させた雑音と
色に
貴方は、
きっと何一つ
時めきを
おぼえないのでしょう。
窓の外で風に揺れる
金木犀の花の
2,3は
早くも枯れ始めた様で、
地面の保護色が増すたび
私の抜け殻は、
影を濃くして
立ち止まっているだけなのです。