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快感じゃがーの部屋


[888] 東京
詩人:快感じゃがー [投票][編集]



スクランブル交差点 を 渡るとき

ちょっとだけ 息を止めて
目を 瞑ってみる

この 途切れることない
雑踏の中 で

どれだけの人が
私の 存在 に
気づいているんだろう




整然と立ち並ぶ
ビルや 街路樹の下

何だか 急に自分を
忘れてしまうときも ある

出会って まだ数分の
見ず知らずの貴女が
一体 私のどんな 本質を

見抜いているというんだろう




"お似合いですよ"
"素敵ですよ"

心ない言葉で
埋め尽くされた 空間に
例えば ちいさな魔法のペンで

私は ハートを
継ぎ足してゆくのに




東京は何もない

色々 有り過ぎて
色々 在り過ぎるから

結局は何もない




狭い空には 電線が交錯

愛しさも 不意に
擦り抜けていってしまうの










私の生まれた町は
とても 小さな町で

東京までは 電車で30分

海も山もない
そんな 片田舎で

だけど
冬の夜の星や春の桜並木

美しい色が ずっと
あそこには揃っていた










都会の生活は寂しいよ

近くて遠くて
淋しいよ

真夜中 一人で泣いていると
本当に

世界に 置き去りに
されてしまったような

気分になる




そんなとき

絶え間なく 響く

電車や 車の音
耳を澄ませたり

ただ 占拠する
色とりどりのネオン

じっと 窓から眺めてる




アパートを出れば
すぐ 誰かとは擦れ違うし

コンビニだって24h営業

深夜の客にも
愛想 をくれる










都会は冷たくて

時々 やさしくて

そんな気紛れが
嬉しいときも あるし




そうして 私は
また 何となく 迷い込んで

この街の片隅で
そっと 眠りに就くんだ


2008/05/27 (Tue)

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