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快感じゃがーの部屋


[895] 甘い雨
詩人:快感じゃがー [投票][編集]


俯く頬に 翳り
凛と して

君は 佇んでいるから
不意に
泣きたく なる



北風 に手を当て
両の眼 探っても

ねえ

なんにも
見えやしないと

浮ついた現実に
痛み 覚えるとき










繋がって く
途切れること なく

君の知りえない

遠い
遠い明日 へと










喜んでほしい

生きていて ほしい

指を絡ませて
出来る総て を

身につく全てを
沁み込ませ

養分を
君に

君に










聞かせてほしい
風の生まれる 場所

繊細な音 を
夢を
鼓動を





おんなじ だけ
傷ついていたい

例えば

頑 として
沈黙の中に
蹲っていても










もっと

もっと
示してくれたら

駆けつける から

朝顔の栞を
挿んでおこう

付箋を付けて
残して おこう










俯く頬に 翳り
増殖 して

君が 蝕まれてゆく なら
僕は
鍵を 見つける





あの 桟橋まで

あの
桟橋まで

少しで いい
手を繋ぎ

その温もりを
柔らかな 指で
包んでよ










生きている なら
瞬きの 向こうで

揺れて 揺れて

待っているから










向日葵は
空へ向かって
咲くのだ と

指差し 笑った日を
覚えている?





光へ届け



届け

届け





君へ

君へ





届いてほしい










生きているなら

生きている
なら



紅の街に
泳がせた 愛で

迎えにゆくよ



届け

届け

君へ



届いてほしい
君へ










強がりまで
滲む

甘い雨

2008/05/28 (Wed)

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