シンシな秩序が
壊れる瞬間
熟れた林檎が
落下を忘れた瞬間
窓辺の少女は
愛をうたうのに
笑いもせず
泣きもせず
振り向くこともしないんだ
愛しているのか
憎んでいるのか
それすら曖昧で
きっと誰にも見えない
そしてイマ
落としたこの雷鳴が
脳裏に魅せる
フランス人形のゆめ。
フェンスの向こうで
笑いかけている
少年は君の恋人
忘れられた集落で
君を待ってたんだろう
赤く染めた頬
かばいながら
走ってくよ。きみ。
揺れる揺れる
真っ赤なボール
走ってくよ。きみ。
彼の元へ
2008/06/12 (Thu)