砂を覆う気で水を撒くなんて溺れた魚を焼き殺すみたいにあなたは 過去のない風を羨む緑の木々をかすめる草原を泳ぐような日々を夢見る誰かは哀しみしか詩えなくてあの子は空しか映らなくていつからか死と爪先を合わせて踊る欠けた柩のために眠りを売る少女赤い砂漠に白い花が迷う掬いきれない手の平から零れる砂と雨は溶けることもなく……あなたは時を打つ時計に憧れる胸にヒビわれる音谺する少女の悲鳴楔打つように止めようと贖う手もないのに
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