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トケルネコの部屋


[116] 渦牛の夢
詩人:トケルネコ [投票][得票][編集]

砂を覆う気で水を撒くなんて

溺れた魚を焼き殺すみたいに


あなたは 
過去のない風を羨む

緑の木々をかすめる
草原を泳ぐような
日々を夢見る



誰かは哀しみしか詩えなくて
あの子は空しか映らなくて
いつからか死と爪先を合わせて踊る
欠けた柩のために眠りを売る少女


赤い砂漠に白い花が迷う
掬いきれない手の平から零れる砂と雨は溶けることもなく……



あなたは
時を打つ時計に憧れる

胸にヒビわれる音
谺する少女の悲鳴


楔打つように止めようと



贖う手もないのに




2010/02/25 (Thu)

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