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トケルネコの部屋


[207] 頭之罔極之図
詩人:トケルネコ [投票][得票][編集]

紡ぐ事も罔いだろう
拡げる事も 担ぐ事も罔いだろう
ただ射つ事だけに証明されるだろう
上澄みだけの本性は 夕室の隅に透明に固まっている

手懐けた諸刃の弦は義指を絡め取り
その矢を長く長く燃やし
暗黒の地図を斜めに過るだろう

咎めの無い窮屈
人目の無い盗掘
まとまりの無い乾燥機の擬音は
その存在を彼岸の触媒に差し出すだろう

あざといコーデックの花が ただ一輪の森を焼く
生まれを秘めず その名を刻む ‐遺髪の賢者‐

私がただ悦びを知るために
今日を限る者 明日を見限る手
三面鏡に挟まる緘黙の仮面達

誰かが葉叢から観ている

誰もがそれを視ている



異空


2010/06/13 (Sun)

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