十月の宵の口は 斜めに奔る箒星に溢れそう
見つめあう恋人たちのその影は ところどころに隙間がある
雑念と妄念は 石畳に響く足音に吸い込まれ、ただ…
夢見る詩人のレトリックに奪われるのみ
嗚呼、星の歳月よ
彼方のレールを曳いてきておくれ
その型崩れした深紅のコートを纏い
夜の帳を引くように
神無の冷たい月は 斜めに翻る山の稜線に隠れそう
言葉に架かる自分たちの誇りを跨いで
今日も一翼の羽を担う
今日も一翼の羽を担う
零れだした火の粉に 灰だけは浮かび上がりし
幻燈の謡
2010/06/04 (Fri)