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トケルネコの部屋


[40] 灰の中の幻想/幻想の中の灰
詩人:トケルネコ [投票][編集]

十月の宵の口は 斜めに奔る箒星に溢れそう

見つめあう恋人たちのその影は ところどころに隙間がある

雑念と妄念は 石畳に響く足音に吸い込まれ、ただ…

夢見る詩人のレトリックに奪われるのみ


嗚呼、星の歳月よ

彼方のレールを曳いてきておくれ

その型崩れした深紅のコートを纏い

夜の帳を引くように


神無の冷たい月は 斜めに翻る山の稜線に隠れそう

言葉に架かる自分たちの誇りを跨いで

今日も一翼の羽を担う
今日も一翼の羽を担う


零れだした火の粉に 灰だけは浮かび上がりし 

幻燈の謡



2010/06/04 (Fri)

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