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トケルネコの部屋


[41] 馬並
詩人:トケルネコ [投票][編集]

馬が 馬馬
ウマが合う
馬を呼んだら馬が来て
馬の背に乗り馬を駆る

馬は 馬馬
ウマい馬
馬の世話して馬食べて
馬が泣いたら馬なでる

馬や 馬馬
ウマと鹿
馬といったら馬がいい
馬の他には馬はなぁい!


馬はいつだって走ってる
馬は誰よりも走る喜びを知っている
犬より猫より人間より
蛸より烏賊より人参より
俺より何よりカステラより


馬が 

産まれた 秋の日に

母が 逝った 次の日に

馬は苦しみ 父は泣く

笑うことすら見ぬ父が ただ震えて泣いている

俺は怒った 泣いてる時かと

俺は怒った 顎震わせて

馬はいななき 泡を吹く

今だ踏張れ頑張れと 叫ぶ言葉の虚しさよ

きっと助かる助けると あの日の母にも言ったはず

馬の瞳に水溢れ 父の腕が血に塗れ

死と誕生が交差する 冷めた大地と夕焼け空に 

命の鎖が また交差する


馬が 馬馬
ウマる雪
馬が産まれて馬が死に
馬の墓標に馬が立つ

馬と産まれて星と生り

永遠の鎖上を走り往かん

2009/12/01 (Tue)

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