ホーム > 詩人の部屋 > トケルネコの部屋 > インソムニア

トケルネコの部屋


[70] インソムニア
詩人:トケルネコ [投票][編集]

寝入る前に聴く

深い吐息が咲く

肺にわずかな花弁

ワタと木屑に包まる


ライオンは草原を梳く流星
葡萄酒と蜂蜜が午後の雨に滴る

どこからか 痛みにかしずく騎士の祈り
その盾は幾星層の純白の貝殻に覆われて

あぁシアワセね、波紋の中心に羽化する蝶

とけてカタチもなく ただひっそりと冷たい柄
炎と石板 紅いローブから覗く老婆の唇

また逢おう・・・・そう穹が啼き
まだお前は・・・・光の牙が貫く



網にかかるものなら

あの蹄の音を掴まんと

乾いた眼差し  開く

泥土の1815:ワーテルロー



耳に残る遠雷



2010/03/01 (Mon)

前頁] [トケルネコの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -