詩人:トケルネコ | [投票][得票][編集] |
少年は夜に敵意を供えて
校舎の屋上で泣く
真夏の空は不可解な音色の海
地熱の放つ声に樹々が燃え上がる
透き通るようなラジオの70'sの歌
それは青い林檎を齧る音に似て、苦い
フクロウは深夜のコンビニを覗き回り
まだ幼かった頃の自分を探す
天使はいつも乾いた傘を広げては
繁華街の泥を眺めてる
傷口から見える碧い珊瑚礁
見たこともない深海の蛇
少年は薄明に悪意を葬り
校舎の屋上から墜ちる
少女は朝に声を詰まらせて
そんないくつもの夢から覚める
ユレル波間からのぞく褪せた爪先へ
そっと手を添えるように暁の緋が飾る
少女は厚いカーテンに包まって
そんな夢から覚めた夢を見た