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トケルネコの部屋


[93] 追憶
詩人:トケルネコ [投票][得票][編集]

小雨に暮れて 彼女は泣いた
歌うことしか知らない鴉たち
ハカナイなんて鏡越しのメッセージ
満たされない花瓶を映さないで
朝靄をついばむ濡れた眼差し

どこか誰かに似てるけど
その横顔を眺めてるだけ

誰かどこかへ連れていってと
ただ横顔を飾ってるだけ


もうムナシイなんてメッセージ
壊れた鏡を踏むことで伝えないで
歌を燃やすことでしか白くなれない鴉

束の間の解放 昼と夜の回転ドア
どこへ座ろう 廃屋の映画館
青い目を光らせて鴉たちが視つめるスクリーン
かすれた字幕だけが何かを伝えて・・・



その横顔は言葉を追う


その横顔は言葉を見上げる


その横顔は誰よりも美しい


その横顔は何よりも空白


その横顔はボク


その横顔はアナタ


その横顔は歌そのもの


その横顔は世界の片隅にあり


その横顔は世界の肖像画



砂と海の額縁


2010/01/15 (Fri)

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