はげしい雨音といつもよりタールの強い煙草煙が僕の記憶ごと連れ去ってしまえばいいのに雨音が遠ざかる視界が少し白く煙る今夜は少し疲れているからお前に電話をかけたかったのにあしばやに去って行く君煙草を挟んだ僕の左手はただただやに臭くなってゆくだけ僕のはいた煙はどこへともなく拡散して消えて行った
[前頁] [メロンソーダの部屋] [次頁]