あの子がキャンディーの包み紙でつくった不恰好な鶴は
僕は全部捨てないでもっているんだ
そのうちの一羽は僕の筆箱のなかにいるし
あの子のつくった鶴はいつも元気で楽しそうさ
あの子はいつもうれしそうで
あの子はいつも笑顔をたやさない
でも
僕の前で爪をいじるあの子の手が震えているのを
僕は見逃さなかった
それに
あの子が悪戯っぽく鶴の裏に書いたメッセージを
僕は見逃さなかった
胸のあたりに温いものがジワっとしみ込んだ
口のなかのミルキーの甘さと
あの子の笑顔がリンクした
2004/12/01 (Wed)