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2004年 GW
晴れ渡る空に強い日差し
真夏のような暑い名古屋での1日
同業の友人と半年ぶりの再会
案内された診療所から望む
広大な工場敷地と木々
名古屋港に面する大通り
黄緑に輝く街路樹
5月の爽やかな風に吹かれた
心地よい日差しの1日
東京都港区六本木
外国人や老若男女を越えた
カップルやファミリーで賑わう
東京の新名所
FM局のイベントが盛大に開催
計画的に造られた花壇に咲き誇るツツジ
それを包み込むように広がる
街路樹の若葉たち
東京都北区赤羽
ふと立寄ったお洒落なカフェ
桜ブレンドティー
大きな窓から望む
駅前ロータリーと街路樹
日差しと強い風に吹かれた1日
東京都文京区後楽
東京ドーム・プリズムホール
骨董フェアでひとときのタイムトリップ
歴史と最先端の情報文化の交じわる街
水道橋・神保町・秋葉原
街路樹が懐かしさを感じさせる
台風の如き風雨に見舞われた1日
自宅でレポートに取り組む
どんより曇った肌寒い1日
雨上がりの午後の街を歩く
初めて立ち寄る老舗カフェ
銀座みもざ館 そして日比谷公園
最初で最後の出会い
ビルの谷間に広がる新緑と噴水が
自己を省みること
原点に返りことを教えてくれる
葉っぱの一年はひとの一生
芽吹き 黄緑に輝き 青々と茂り
色付き 枯れて土に還る
1枚の葉っぱにも喜怒哀楽の人生がある
葉っぱも人も温かさや試練があって
成長していくことを新緑が教えてくれた
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昼下がりの光を浴びて
メトロの狭い石造りの階段を上ると
石畳の歩道とガス塔が目に飛び込んだ
10余年前のとある秋の日
スーツ姿の私は
緊張と不安に包まれながら
人々の波に熔け込んでいった
老舗百貨店を左に眺めながら
前方に高速道路を望み
ビアホールの前の
細い路地を左に入った
葉っぱを茂らせた木々が
長いトンネルをつくり
その木々の間からは
うっすらと
木漏れ日がさしこんで
舗道に影を落としている
少し歩くと右前方に
赤いレンガに被われた
7階建ての瀟洒な
建物の前に辿り着いた
社会という大海原
漕ぎ出す許可を得るため
人生のひとつの分岐点
それから半年後
卒論に国家試験という
厳しい冬を越えて春を迎えた
この街もまた
舗道の木々は
桜花のトンネルへと変わり
私を祝福して迎えてくれた
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誕生・躍動・始まり
それは陽が昇るということ
万物が色付くということ
あさ目覚めるということ
桜の花が咲くということ
仕事を始めるということ
生命が誕生すること
それは やがて
ときの流れとともに
引退・沈静・終わりへ
変わりゆく
それは陽が沈むということ
万物に彩がなくなるということ
夜眠るということ
桜の花が散るということ
仕事を辞めるということ
生命が終わること
しかし それは
ほんとうは
終わったのではない
あらたなる姿で
また躍動するために
みな平等に与えられた
自然の哲理
始まりは終わりのつづき
終わりは始まりのつづき
人間が生きること
人間が老いること
人間が病むこと
人間が長い眠りに就くこと
幸福ということ
それは
このくりかえしを
知るということ
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太陽から燦々と降りそそぐ光
地上のすべてのもの
それを感じる私たち
このすべてが揃って
この地球(ほし)は
七色に光輝く彩りの世界へと
私たちを導く
母なる太陽
なんと豊かな力であることか
なんと不思議な力であることか
母の愛情
母の育み
母の強さ
母の力
母の忍耐
母の信念
母の厳護
私たちは
この母からの偉大なるエネルギーを
ときに受け入れながら
ときに反発しながら
それぞれ心の色を輝き放つ
その彩りには
みな意味があり使命がある
決して駄目な色など存在しない
かけがえのない
私たち ひとりひとり
ほかの誰かと違う色でもいい
私が私らしく輝けばいい
色あせてしまうことも
深い暗闇に心を失うことも
多々あるに違いない
しかし暁という希望は
やがて闇の心を照らしゆく
そして陽はまた昇り
それぞれ心の色を輝き放つ
わたしたちは
光と闇の織りなすこの地球(ほし)で
たくさんの希望をもらった
たくさんのことを教わった
闇が深ければ深いほど
暁の喜びは大きくなることを
そして母の偉大なる存在を
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雑踏の道端に健気に咲く いちりんの花
雑然とした部屋の片隅 小さな花瓶に
ひっそりと咲く いちりんの花
この風景に こころ洗われないものは
誰人としていない
ここにも社会の嵐の中に咲く
ひとりの花
このストレス多き現実社会
いったい どれほどの人びとが
あなたに癒されたことであろう
カスミソウの咲くころ
遠く みちのく岩代に生まれ出でて
今日までの65星霜
あるときはガンと闘う病院で
あるときは総合病院で
あるときはメーカー医務室で
看護士として
産業カウンセラーとして
衛生管理者として
みなに勇気と希望を与えつづけた
いつも笑顔で
いつも冗談を飛ばし
ときに毒舌の中にも
感じる温かみと慈愛
いよいよ第二の人生の幕開け
この現実社会に さく 花
あなたという花を
ひとは とわに わすれまい
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私の人生
いろいろな色に囲まれた人生
楽しかった思い出の色
辛い思い出の色
懐かしい色
希望の色
有彩色と無彩色という
朝と夜を繰り返す
自然の色の営み
いま昔を振り返る
黒い真っ暗な産道を通り
はじめて見たのは何色だったのだろう
それは病院の薄い青緑のカーテン
それとも助産婦さんの白い白衣
それとも感動と喜びに紅潮した
肌色の皆の笑顔
しかし私の記憶には
それ以上に辛い記憶の色が
鮮明に残ったに違いない
白地に赤いライン
そして赤色に点燈する光
蛍光灯に照らされる
無色透明に連なる箱
その中に殆ど身動きもせず
じっと置かれている面々
激しく動き回る白い衣装
1100gという極小未熟児
10日間は99パーセントの
命の保障もされぬままに
生死の境をさまよった
ときは流れ
あのときの母の年齢に
7年足した時間を私は
いまも健康に生きている
一昨年の夏、還暦を迎え
紫色のセーターを着る母と
春の光に輝くバルコニーの
色彩豊かに咲く花を見て
いま使命を感じる
母なる太陽によって
すべてが美しき色彩を放つ
われもまた太陽となって
すべてを虹色に
輝かせていきたい
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ふたつきまえをふり返る
3月11日 木曜日
底知れぬ海底
天高き空より
春の鼓動に呼び出され
春霞の空とともに
あらわれた
5月上旬の東京
夕刻17:30
薄暗い暖かな陽気の街に
光り輝く街灯
ふたつきのときはながれ
きょう
5月11日 火曜日
東京都心
最高気温30.2℃
紅群れ咲くツツジに
ふりそそぐ真夏の太陽
あの早春の日
そして今日
ともに記録した
最高気温
ふたつきさきを想像する
2004.7.11
この日もまた
なにか新たな記録が
生まれるのだろうか
いま闇は暁をもとめて
地球市民のひとりひとり
善の連帯の花ひらくとき
ひとり一人が輝くとき
母なる太陽は
わたしたちすべての
躍進と勝利をたた願い
輝きを増す
(今年最初の最高気温を記録した日に)
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3月中旬の朝
地下鉄に乗入れる私鉄電車の車内
車窓から見える澄み渡る青空
車内に差し込む春の陽光
下町の風景が右側から左へと
あらわれては流れ去っていく
荒川鉄橋をわたる
川面に反射する春の太陽
緑色の鉄橋を何気なく見る
よく見ると三角形が交互に連なる
連続したその模様は鋸の刃のよう
その鋸は大地に向けて
あるいは大空へ向けて
何かを断切ろうとしているようにも見える
それは
この地球上で日夜繰り返される
悲惨な事件、戦争、人種差別
人権軽視という川の流れ
懸命に生きる名も無き一庶民を
無視した悪しき権力という大気の流れ
この鉄橋は私たちが社会を変革しゆく
善の連帯の象徴であるかのよう
私たちがただ単に鉄橋として
佇んでいるだけでは世は変わらない
異体同心で団結して
橋から左右に延びる道路という
鋸の柄を動かす原動力に
ならなくてはならない
橋桁という悪しき権力や慣習を
断切ってゆくためにも…
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私が頚を動かすと誰かが反応した
私が歩くと誰かが反応した
ふと気がつくと
彼は何の許可も無く
私のところへやって来た
3月12日 金曜日 AM
汽笛一声新橋をと歌われる
由緒ある地 汐留
未来へ羽ばたく近代都市 汐留
ここで小宇宙保安部隊の隊長より
彼らが来たことを知らされた
そして彼らはこの小宇宙を
破壊する悪者であると教えられた
早速 隊長から彼らとの
戦闘命令が下される
彼らをやっつける
水色と白のペニシリン攻撃部隊
彼らを追い出す
白いムコダイン搬送隊
彼らの同盟軍を押さえ込む
ヒスタミン部隊
戦闘で傷ついた組織や周辺環境を
護り復興活動する
緑のセルベックス護衛艦隊
そして彼らの通り道を
狭めて阻止する青い最強の兵器
コールタイジンステロイド射撃砲
戦闘開始から4日目
部隊の活躍で彼らの動きは
沈静化している
停戦まであと3日
彼らを撃退し部隊の活躍を
援助するためにも
私も睡眠部隊に摂生部隊を
送り込むこととしよう
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3月上旬の月曜日
地下鉄の階段を上がり
オフィスへと向かう
快晴
早春の空は
青々と澄み渡り
冬の空へ逆戻り
青空という画用紙を見る
古いビル新しいビル
会社と店舗・民家が
入り混じる街 築地
白色・灰色・茶色・銀色
さまざまな色彩
さまざまな形状
さまざまな素材
さまざまな高さ
それぞれが皆 個性的で
ひとつとして同じものはない
コンクリートで覆われた
都会の森林
それらとともに佇む街路樹たち
大きさ かたち 表情
ひとつとして同じものはない
その森の中を足早に歩く
われわれ人間もまた
同じであるわけではない
皆それぞれが
それぞれの使命を果たしている
かけがえのない
この青空に包まれながら
母なる太陽に照らされながら