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[91] 旅の思い出A 津軽海峡
詩人:evans [投票][編集]

深夜の青森駅の階段を
昇りゆくと
町の灯とともに海が広がる

乗船名簿を書きながら
まだ見ぬ北の大地に
想いを馳せた

初めて海峡を見たのは
16歳の高2の夏

中学時代の友と二人

上野駅7:30発の
ひたち5号で旅立った

原ノ町から終着青森駅まで
鈍行を乗り継いでの旅は

若さと時間という
あのときでしかできない
お金では買えない貴重な体験

旅の本や雑誌などで何度も見た
演歌の歌詞でも良く聴いていた情景
やはり
実際に見ると感動が広がった

0:30
海峡の女王「八甲田丸」は
ゆっくりと桟橋を離れる

甲板に流れる「蛍の光」

宝石を散りばめたような
夜の港町がだんだんと
小さくなってゆく

やがて漆黒の大海原を
ひたすら進んでゆく

目覚めると
白みゆく空につつまれた
函館山と坂のある港町が

ぼくらを優しく迎えてくれた

2004/10/02 (Sat)

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