詩人:evans | [投票][編集] |
深夜の青森駅の階段を
昇りゆくと
町の灯とともに海が広がる
乗船名簿を書きながら
まだ見ぬ北の大地に
想いを馳せた
初めて海峡を見たのは
16歳の高2の夏
中学時代の友と二人
上野駅7:30発の
ひたち5号で旅立った
原ノ町から終着青森駅まで
鈍行を乗り継いでの旅は
若さと時間という
あのときでしかできない
お金では買えない貴重な体験
旅の本や雑誌などで何度も見た
演歌の歌詞でも良く聴いていた情景
やはり
実際に見ると感動が広がった
0:30
海峡の女王「八甲田丸」は
ゆっくりと桟橋を離れる
甲板に流れる「蛍の光」
宝石を散りばめたような
夜の港町がだんだんと
小さくなってゆく
やがて漆黒の大海原を
ひたすら進んでゆく
目覚めると
白みゆく空につつまれた
函館山と坂のある港町が
ぼくらを優しく迎えてくれた