詩人:碧 | [投票][得票][編集] |
傷口を覆い隠すような
上擦った声が
私の脳裏から離れることがない
涙を堪える瞳が
小さな悲しみにも揺れることを
私は知っている
でも
震える寂しげな背中を
抱き寄せる権利は私にはないから
今にも歪んでしまいそうなその笑顔を
側で見つめることも
時々もどかしくなる
誰かの代わりになるなんて
本当は何よりも
辛いのに
そんな下らないプライドもズタズタになるくらい
夢中になって
溺れてしまったんだ
最後まで
報われなくても
構わないと思う程
愛してる
そして気付いた
これが
本当の恋だと
そして
傍に居られる時間を慈しむ心が
私の中に在る
純粋で清廉な気持ちであることを
形の無い光に捕らわれたいと
初めて思うことが出来たのは
貴方が
儚いくらい綺麗な想いを持ち続けてくれたから
せめて一つだけ
我が儘を言うとすれば
晴れた空に似た
貴方だけが出来る
朗らかな笑顔を
取り戻して欲しい……