詩人:どるとる | [投票][編集] |
言葉にならない気持ちだけど
簡単にいうなら悲しい気持ちに近い
そんなぼくを置き去りにしたまま
夜は過ぎてゆく
風に吹かれて ふと目を閉じる真夜中の黄昏
まぶたの裏には何もない ただ真っ暗な闇があるだけ
そしてぼくはやがて
観念したように
寝つくんだ
羊の毛に つつまれて。
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おだやかな夜に溶け込む
ぼくはひとり
夜空にちりばめられた星を数え
途中で面倒になって
わずか数分で投げ出した
いつも そんな調子だ
性格だから仕方ない
結論はいつだって出るのだけは早い
詩人は今日も
心の中の思いと
向き合いながら
描いては消して
消しては描いて
言葉を並べてる
でも結論は もう決まってるんだ
キミが好き
それだけなんだ
なんて単純な思いなんだろう
それでも不思議なくらい命さえ懸けてしまえる 思いだ
好きを伝える
真夜中のひとりキャッチボール
少しずつ朝へと傾く夜がだんだん 優しさで満ちてゆくよ。
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手を伸ばすその先に
はじまりのスイッチがほらあるから
迷わずに押してみてごらん『ぽちっとな』
最初から飛ばすと
あとで疲れるぞ
だから変わらない
速さで季節を走るのだ
僕が立ち止まると
影も立ち止まる
変わらない営みは
変わらない営みを生む
だから新しいスイッチ押してみてごらん
はじまりのスイッチ
『ぽちっとな』
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大人になってゆく
人たちの群の中に
僕は叫ぶんだ
僕も大人になりたい
だけれど子供の心も捨てたくはない
中途半端がいいのさ
ただ朝と夜を繰り返すだけで人は大人になる
さなぎから蝶へと変わるように脱皮する
ほら僕も
何もかも新しいことばかり
見るもの全てが物珍しいものばかり
やがて訪れた一年ぶりの春にまたぼくは口を閉ざしたまま
桜を眺めている
いつでもスタートラインは目の前にある
ぼくが生まれたあの日は いくつものスタートラインがある中の単なる ひとつに過ぎないのさ
桜の花びら 風に舞う日にぼくは生まれた
桜前線 押し寄せる
関東地方に幸せが来る
悲しみの数だけ笑いましょう
失ったぶんの笑顔取り返す喜びがきっとあるから
信じることから始めましょう
つまらない言い訳や御託はしまって
ただこの小さな 町の中でぼくは枯れるのを待つだけじゃ飽きてしまったんだ
だから
流れる涙 ぬぐい去って ぬぐい去って
危うくても 可能性ゼロでも ぼくは突き進むよ
桜前線に乗って 春がほら 風を吹かせる
芽吹く 新しい 予感
ドキドキが 止まらない
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手をぐっーと伸ばして 引き寄せた4月に
邪魔な障害物をまたぐように ぼくはなるべく楽におだやかに
そんなことばかり考えていた
カレンダーには
過ぎた日にちに
×印をつけて
まるで思い出も
消し去ったように
前だけを見てる
心のバス停に
ひとり立ち尽くして
何を待ってるのか
ずっと何かを待ってるみたいなんだ
いつものように
日が暮れて
何ひとつ特別なこともなく
何事もなく 手を振る帰り道
空はオレンジ色
目に見える全てが
まるで夢のように
ぼくの腕から
離れてゆく
花びらが散るように
それは運命だから
変えられない
そう知ってる
だからこそ悲しい
言葉は死んだように
ぼくを無口にさせる
ああ 何も言えない
果てしないあの空に
流れる星に願いたくしても叶うはずもないと 願うことすらしなくなって
やがて
腐りきったぼくの心
近道しすぎて
こんな未来
後悔は肉体的な痛みのない精神的な傷を残す
沈む夕日に涙をこぼす
平然を装うぼくの本当の胸の内
永遠に誰も知ることはない 粗いモザイクで隠された真実
深層真理を侵す
悲しみの螺旋
ぼくは巻き添え
オレンジ色に染まる空に僕は靴を飛ばす
昼間はにぎわっていた公園には今は人影はない
ブランコが時々風に揺れてるだけ
そんな景色を平凡と呼ぶならあまりにさびしすぎるだろう
いつものように
日が暮れて
何ひとつ特別なこともなく
何事もなく 手を振る帰り道
空はオレンジ色
目に見えないものまで
さよならも言わずにぼくの視界から消える
星が流れるように
それは運命だから
変えられない
もう知ってる
だからこそせつない
瞳は死んだように
うつろに宙を泳ぐ
ああ 何もできない
そして今日もオレンジ色の空が
美しさのぶんだけ
僕を傷つける
本当罪だね
何度見ても目にしみる色だ
オレンジ。
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単純明快な答えを
難しくしていたのは
僕だったんだね
小さな脳細胞は死んでいた
結論はいたって単純だった
それはキミがこの世界で一番大好きというだけの話
大げさなようで
大事なことなんだ
キミは知っているのかな
深層真理をさまよう思い 散歩させてる真夜中に
吐き出すため息は
初恋の薄紅色
はじめての恋が
ほら、痛みを従いて僕をおそうよ
何度 諮詢してみても
たどり着くのは
いつも 同じだよ
それはキミが好きというだけの簡単な答
でも何よりも大事なんだよ
キミはただ遠くで
微笑むだけ
僕はなぜかはき出したい気持ちをおさえ口を閉ざす 日々の中
徒然なるままに時をやり過ごすだけだ。
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幸せの形すら わからなくなってしまった
平凡な毎日に身を置くうちに これ以上の幸せがあるのかとさえ疑ってしまう
欲しいものも今のところは何もなくて
欲がないといえばそういえるけれど
ありあまる財産になぜかむなしさ募る
隣にはいつも孤独
後ろには味気ない過去
前には 世知辛い現実
四方を囲まれて
身動きのできない僕に迫るタイムリミット
時計の音から逃れるようにたまの休日に遠出してみれば
やっぱり何もできず
ただ切なさに焦がれる胸をつかの間癒やす酒をあおる
愚かな日々
夢は底を尽きて
自信は消え失せて
残ったものは
使い古された
ボロボロの心
痩せこけたからだ
夜に沈むように
ベッドに身をあずければ また 見る夢はくだらない幻想にあふれた おとぎ話の世界
ほらそれでも僕には心地いい世界
ずっと夢見ていたい
そんな気持ちにすらなる
二十歳過ぎの僕だ
青春に乗り遅れた僕は周回遅れのランナー
前にも後ろにも誰もいず ただ長ったらしい 憂うつが果てなく続く
涙も枯れ果てて
全てをあきらめてしまってもいいかとさえ思い むなしく空元気で過ごす毎日がとてもつまらなくて
空はいつも低くて
二十歳なのに若さもなく暮らしている
そんな冴えない毎日だ
二十歳でもう年寄だ。
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暗闇にこもる
僕は大好きな暗闇で
じっと身をひそめる
暗闇なら人の目も
気にせずにいれるから暗闇ほど素晴らしい世界はないと思う
だから暗闇にこもる
僕は暗闇にこもる
孤独 隠すように
果てしない悲しみ
ごまかすように
さみしさ 隠すなら
さみしさの中にと
暗闇隠しの毎日さ。
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このうたはあて先がないから誰にも届かない手紙のようなうただよ
でも僕はうたう
今、詩人たちの住まう部屋の扉を開いて
いくつもの詩を書いてきた
そのどれもが納得できる出来ではなくて
失敗も何度繰り返したかわからない
でも心の中のキミとお話しするみたいに
僕はキミへの思いをうたうのだ
届け!僕のうたよ
僕はうたう
キミにうたう
さあ 心におくるよ。
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僕の季節はまるで追いかけても追いつけないくらい
とても早く 早く過ぎてゆく
気づくといつも後ろを振り返ってはあっというまだったなんてお決まりの言葉つぶやくんだ
まるでどうでもいいことさえ
記憶に残せたならそれは思い出だろう
忘れてゆく記憶とはべつにくだらないことだけど
たとえばねこうしてね普通にね 笑っている時間だとか 忘れないでいれたら幸せ
自転車で景色を 駆け抜けるように
周りを見渡す余裕なんて まるで ないものだから
覚えているのは印象深い出来事の一部だけ
そして僕は運命という時計の上を跳ねたり回ったりしながら
その時計が壊れて動かなくなるまで
茶番のような人生を本気で生きるのだ
いい呼び名がないなら時の旅人とでもまあ呼んでくれ
ぼそぼそと食べこぼすように
僕は言葉を 誰にともなく囁く
ああ 目の前をふたたび過ぎる季節が
次の季節を連れてもう 待機している
ほら 桜もやがて葉桜になり枯れるだろう
時間の問題さ
いつも どんなことでも
そしてやがて 僕を司る時も止まるだろう
『まだ若い』そんなこといつまで言ってられるかな
僕をつなぎ止めてる
この世界の引力は
やがて 僕を見放し
はるか 空へと帰すのだろう…
僕の季節はまるであるようなないような
曖昧な影だけを心に刻みつけ 足早に去る
それが運命ならば
過ぎ去る景色のひとつひとつを たまには足を止め 季節をじっくり眺めてみよう
立ち止まってみても
時間は変わらず流れる
でも目を閉じてみればほらまるで時間が止まったように穏やかだ
ああ 親にもらった名前などでは僕の全ては伝わらない
だから ひたすらに時を旅する 旅人と呼んでほしい
閉ざされた季節の向こうに 寒々しい冬があり
そのまた向こうの扉の向こうには暑い夏がある
幾重にも連なる時を旅してきた
僕はまさに旅人だ。