詩人:どるとる | [投票][編集] |
さみしいくせして平気な面で生きている
嘘で塗り固めた笑顔で涙を隠しても
心の中はどしゃ降りの雨 僕はずぶ濡れ
人波をかき分けて
せっかくの白い
スニーカーさえも
もとの色がわからなくなるくらい汚れて
名前のない季節が
名前をつけるまでもないなんの意味もない季節が また僕の隣にずかずか座ったよ
そして挨拶もなく
過ぎ去ったよ
時間はつねに事細かに全てを仕切る
どっかの誰かさんみたいにきっちり生きることなんてできなくてもいい
この世界は 幻のようなものだから
いちいち本気で生きてみたって 疲れるだけ
それより目の前にある少なからずも輝いている 喜びのかけらを拾うことに精一杯になろう
汚れのない人生に
本当の光はないから
僕は泥にまみれて
風にあおられて
名前のない季節はしつこいあいつみたいに何度だって
答を問いただすから
適当な返事でその場はやり過ごせれば
そのうち 僕にも素晴らしい明日がやってくるから
なんの予感もなくても そう言えてしまえる僕は素敵だから
枯れ葉一枚 ひらひら落ちて
やがて 冬も過ぎ
全てを焼き尽くすような 狂った暑さに干からびる夏が忍び寄って来て
そして 今 思う
完璧よりも不器用なことで笑い飛ばせる今がある
きっと僕にこの先何があっても僕なら平気な面で身勝手なくらい笑い飛ばせるから
名前のない季節に出会うそのたび 僕はいくらだって思う
失敗重ね
寝てばかりの日々でも光るものはある
ほら ここにも
あそこにも
どこにでも
そうさ 僕は生きてる
それ以上 何ひとつ
素晴らしいものはないんだ
名前のない季節が
名前をつけるまでもないなんの意味もない季節が また僕の隣にずかずか座ったよ
そして挨拶もなく
過ぎ去ったよ
その後ろ姿はまるで沈む夕日みたいだったから
不意に切なくなる
でも手を振る僕がここにいたんだ。
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紅茶色に染まった空をなにげなく見ていた
夕暮れは赤茶けて
町はいやに静かで
桜並木の桜も
散り始めて
夏の足音がかすかに聞こえた気がした
黄昏ているんだよ
見ればわかるだろ
僕は黄昏ているんだ
意味なんかあってたまるもんか
そうさ意味なんかない
でもなぜか心のどっかの回路が黄昏るこの時を 大切にしなさいと 訴えかける
だから僕は黄昏る
目いっぱい
目いっぱい
紅茶色に今日も染まる空と
それを眺める僕
構図はいつもいたってシンプル
だけれど なんだかロマンにあふれちゃってる
黄昏る意味はない
けれど黄昏ることで見えてくる何かがあるなら それは意味のある時間だと
叫ぶ 心の中の自分が
涙をポロポロ流しながら 僕に訴えかける
夏の足音は昨日より近く感じる
黄昏ているんだよ
放っておいてくれ
僕は黄昏ているんだ
何も言わさせないでくれ
邪魔されたくないんだよ
ああなぜか心のどっかの回路が黄昏るこの時を 大切にしなさいと 訴えかける
1人だからこそ
にじみ出る 味わい
広がる ほろ苦さ
それは まるではじめて飲むブラックコーヒーみたいだった
今日も赤茶けた空につぶやく
変わらないし変えようもない
僕のこの心がつくり出した時間
不必要なんかじゃないさ
無意味な時間だと決めつけないで
黄昏ることに意味があるんじゃないよ
意味があるのは
黄昏ることで見える答に意味があるんだ
黄昏ることも必要なときは必要なんだ
見えてくるものが何かあるならば
どれくらい時間がかかっても 何度だって何度だって
僕は頭の中
そろばんはじくように試行錯誤するように黄昏るんだ
それはいわゆるひとつの計算
はじき出された答が明日につながってはさらにそのまた明日につながってゆく
そしてまた僕は黄昏る
新しい答を割り出すために
空に意識を投げる。
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ひとりぼっちだって平気だよ
さみしくなんてないんだ
生まれたときと変わらない純真無垢な気持ちにはもう戻れそうにないけど
優しさというものや
愛というものを
知っている僕にはもうそんな形式的な心は必要ないのかもしれない
ただ僕はいつまでも僕であればいいと思う
ここまで泳いで来たけれど
人影は見当たらない
誰ひとりとしていない
きっと僕はこのレースに遅れをとっている
でも人生は競争じゃないよね
いいさ 少しでも笑えることがあるなら
いいさ 少しでも人生を楽しめていれば
ひとりぼっちなんてたいしたことじゃない
そして 長い長いこの夜を泳ぎ疲れ
やがて朝という岸辺にもうすぐでたどり着くころ
悲しい記憶さえ涙にはこばれて 明日に行き着くだろう
夜明けの太陽光線が
街を射抜くように
照らし出せば
僕もカバンを背負いなおし また時間が来たら果てしない旅を続ける
砂嵐にまかれ
風にあおられ
悲しみに足止めされてもひとりぼっちのこと言い訳にはしないで進む
ほら、ひとりぼっちだってこんなに笑えるんだ
こんな自分
かっこよくいうなら
もっぱら 時の旅人。
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心に秘めてる大切な大切な思いは
その人への愛が深ければ深いほどに言葉にできないものです
だけれど伝えたい
どうにかして伝えたい
そう思う気持ちがその人への愛を確かなものだと証明してる
ありがとうってなんの不安もなんのためらいもなく言えたら
それはいかがなものでしょうか
今、僕は考えてるよ
5月と書かれたカレンダーの日にちが9へとたどり着けば
そこは赤い日曜日
母の
つまり あなたの日です
その日こそは 伝えたい 歌にする 手紙に書く 何か贈り物に思いをたくす
やり方はいくつもある
だけれど あえて僕は普段できなかったり言えなかったりする言葉をちゃんと面と向かって言いたいよ
「ありがとう」
そのたった一言さえ
思いを込めたらば
素晴らしいプレゼントになるけど
あなたの好きな黄色い花を 束ね 贈るよ
ありがとうの気持ちとそれと今までの感謝を重ね合わせて
母の日だけはあなたにとびきり 優しくしたい
ありがとう
お体を大切にしてね
これからも迷惑かけるだろうけど
呆れないでよろしくね
僕は永遠にあなたの子供で
あなたは永遠に僕の母です
そんな関係がいつまでも続くことはまるで奇跡にも思えるから
今日の日も
やがて懐かしく
思い返す時
あなたの微笑みはきっと空の彼方
そんな日がいつか来ることが運命だから
こんな風に強く語ることさえ大げさじゃないんだよ
でも だからこそ
歌うんだ 届けるんだ
言葉をあなたに今
5月と書かれたカレンダーの日にちが9へとたどり着けば
そこは赤い日曜日
母の
つまり あなたの日です
「ありがとう」
そのたった一言さえ
思いを込めたらば
素晴らしいプレゼントになるけど
あなたの好きな黄色い花を 束ね 贈るよ
母の日だけは誰よりあなたの子供だということをもう一度確かめられるから
日頃見えない感謝が泉のように溢れる。
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腰をめいっぱい低くして
誰かに媚びへつらう
愛想笑いを必要以上にばらまいて
他人の評価や見る目ばかり気にして
自分捨ててる誰かのこと 責めるわけじゃないけど
なんだか傍目から見たら情けないぞ
僕の目には輝いては見えないぞ
この世はえてして弱肉強食の世界
食われる者はいつも
食う者より弱いもの
だけれど そういう人ほど心優しいもの
だけれど悲しいほど
そういう人ほど
人には逆らえないもの
牙を剥くことをおそれるもの
さんざん走り回ってたどり着いた真夜中に僕は思う
やっぱりひとりが大好き
この 部屋の中
好きなものにだけ
囲まれていられる幸せと悲しいこと忘れたように笑える不思議抱いたまま
今 夜の窓から
眺めている景色はばら色に輝く
夜の窓は鏡になって
肩を落とした僕を映し出すよ
そして 影を揺らすよ
答は 川に投げた
小さな石ころみたいに
夢の中に沈んだ
もう 考えるのはやめだ
やっぱり最後にとるのは争いのない
安全な立ち位置
僕は弱虫の愚か者
知ってるからこそ
また悲しい。
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最近思うよ
僕はこのまま
生きていていいのか
どうなのかってこと
浮かんでくるイメージなんてろくでもないから未来に期待なんかしない
だけれど希望をもつってことは街頭で演説する大人も言っているんだ
こんなくそ暑い中で熱く語ってるんだ
今日も僕らの暮らしはそれとなく続く
なんとか僕もやってるんだよ 間違いは多いけど きっとそれでも僕は生きてるんだ
この思考の果てに終わりはない
答を探しても きっとまた疑問は生まれる
花が咲いて 散ってくように その流れで僕もいつか 永遠にまぶたを閉じる日を迎えるのだろう
だから少しは幸せってものをいやってほど感じる時 1日でもいいから 迎えたい
このごろはもうそんな卑しさばかりに支配される日常
このごろのこの街は大人になったばかりの僕の愚痴さえ聞き流してるような そんな冷たい雰囲気
ドライフラワーみたいに乾ききった心にみずみずしさを与えてくれるもの
つまり潤いを探して
僕は旅をしている
この旅の先に何があるかはこの道の向こうにいる僕だけが知っている
明日の心の天気は雨か晴れか
ただ今日も変わらないのは夕暮れの優しい色
それだけでなんか癒されてしまう僕がいる
心は乾ききってても瞳にうつるあの夕暮れの美しさはみずみずしいまま
僕を潤すよ
世界を潤すよ
そしてまた夢に潜り
僕は岸へと上がるまで 夢の中を得意の平泳ぎで 気持ちよく遊泳するのさ
そんな1日はなんてつまらないんだろう
でも気づいたことひとつ
つまらないからこそ
普通ってことで
つまりそれが満たされている証で
幸せだって いえなくもないのだろう
遅咲きの桜が今頃僕の心に花を実らせた
こぼれ落ちる涙がその花の花弁を濡らす。
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どうしても
どうしても
会いたい人がいる
どうしても
どうしても
会えない人もいる
だけれど僕には
うるさいけれど
いつでも会える
あなたがいる
そういえば
明日はあなたの日だね
僕はなんにも用意してないけど
ありがとうの言葉だけ 胸の中でささやくよ
言葉にしただけで消える感謝の言葉なんて悲しいから
永遠に消えないように
胸の中で言うよ
ありがとう
生まれてきて
目が覚めるように
自分の力で歩けるようになったころ
いくつでもいくつでも
胸の中でささやいてきた
ありがとうの言葉が今大人になって
言えるようになったとしても
まだ感謝することはこの先もあるから
すべての感謝が尽きないようにありがとうって言えるそのときは僕が天国へ召されるとき
母に宛てて
心の中で
手紙を認(したた)めるよ
今はまだ言えない
ありがとうの言葉
たくさん書くよ
思い出はいつまでも淡いまま瞳の中に輝いて 遠いあの日へいつでも帰れるんだ
あなたはいつまでも僕には大切な人
なんだかんだ言ってもあなたは僕のお母さん
なんてこと思ったら
ふいに涙がほほを流れた
僕より小さなあなたの背中がなぜだか今日も大きな海のように感じたから
包まれているんだね
押し寄せる優しさが時にこの僕を何気なくあたためてるんだね
言葉にできなくても心の中じゃもう何度でも言ってるさ
ありがとう。
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なんの関係もないけど
通りすがりのあなたとのつながりはすれ違ったその瞬間に生まれるんだ
まったくの他人とは見たこともなければ
すれ違ったこともない人をいうから
すれ違ったその時点で他人じゃない
僕らはすれ違いでも
他人とのつながりを持ちたくて 絶ちたくはなくて
様々なつながりの中で僕ら今日も他人からすれ違うことで
つながりを持つのさ
他人からちょっとした知り合いになるのさ
名前なんか知らなくてもすれ違ったその時点で僕らの心はつながった
すれ違うだけのつながりでもつながりには変わらないさ
そういう僕ら
すれ違うだけじゃ
悲しくて切なくて
もっと互いを知るために 手をつなぎ見つめ合い 同じ屋根の下で暮らす
特別なつながりを持ったふたりなのさ
すれ違いが生んだ
永遠の恋人
何度でもすれ違っては自分を悔い改めて また手をつなごうとする
そんな僕らは特別なつながりを持った恋人
赤い糸なんて大げさなものじゃ きっとないけど
きっときっとすれ違うだけでおしまいになる 通りすがりのつながりじゃなく
互いを知ろうとするある種の興味から生まれた好奇心いっぱいの恋人
今日もあなたを知りたくて よけいなこともするから喧嘩もする
だけれど それを知らなかったから 喧嘩をしていたから 新しくあなたのことを知ったなら それをゆるせる心も生まれて
僕はあなたをそのことではもう責めず
すれ違わない
そしていつか
すれ違わない
時が来ても変わらない日々と
二人して並ぶベンチ
隣には世界一大好きな人がいて
それが幸せと思えたなら喧嘩しないことも またおかしなことじゃないよね
手をつないでくれるのを待つ僕はもうその時はいない
僕から手をのばすんだ
隣の恋人
近いほど
遠くなる
隣の恋人
小指と親指
くっつけるみたいに
ほらぎこちなく出会ったけど
知り合えば皆恋人。
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畳四畳半分の幸せと1日一杯のコーヒー飲む朝
そんな素晴らしい幸せに囲まれてる幸せを抱きしめたまま
今日も笑いそしてたまに泣く
ふつうって笑い飛ばされても
僕にはそれがとてつもなく幸せであることになんの不自然さもなく素直に受け入れられる
何も特別なことなんか望まない日々だから
欲望も根負けしたようにいつの間にかこの部屋から出てった
畳四畳半分の幸せは
僕の心を満たしきるのに十分すぎるほどだったよ
小さなベランダに干した洗濯物が夜風に揺れれば
風鈴もきれいに鳴るよ
畳四畳半分の幸せと寝る前に眺めるお月さま
それだけで幸せだよといえる僕は幸せ
ふつうを繰り返す
右へ左へ左へ右へかわり映えしない景色を行ったり来たりする普遍日和
それが僕には何より幸せなんだ
情緒のわからないやつにはきっと縁もゆかりも何もない話だ
畳四畳半分の幸せと1日一杯のコーヒー飲む朝
そんな素晴らしい幸せに囲まれてる幸せをかみしめたまま
今日も笑いそしてたまに泣く
今夜も見れるかな
見れるだろうね
きれいなお月さま
隣り合う 君は顔はいまいちな彼女
でもそれもふつうを愛する僕にはもったいないくらいの優しい彼女
そんなお似合いの二人 今夜も月眺めてる
キザなセリフが君の次の言葉を遮り何を話そうとしたかを忘れさせる
月明かりの窓辺
揺れる二人のシルエット
そんなふつうの毎日には金などあまりいらない
でもいらないことはない
でも人よりあまり望まない
望むのはこんな日々がどこまでも変わらなく続けばいいという願いだけだ
畳四畳半のこの部屋には君と僕が今日も暮らしてる
そして二人でコーヒーを飲んだり 月眺めたりしながら
何不自由なくふつうの日々をふつうに生きているのさ
畳四畳半分の幸せに守られて 満たされて
畳四畳半分の暮らしに寄りかかるように生かされて そして。
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あなたの目にうつるだけの僕などなんの意味もない
僕があなたを笑わせられていればそれは意味のある僕だけど
ただ瞳にうつるだけの僕などいる意味はない
そんな僕を愛してくれる僕の目にうつる君はいつでもせわしなく僕を気遣ってくれる たまにそれをうっとうしく思うのは自分でも愚かだと思うよ
夜の窓から 見える景色が遠く 揺れ 君が僕の手を握る
そんな毎日に 抱きしめられている幸せ
なんの不思議もなく
ここにあるよ
あなたの目にうつる
僕が笑うから
あなたが笑ってくれる
僕の目にうつるあなたが泣くから
僕も悲しくなって泣いてしまう
ふたりの心がまるでくっついてるかのように重なってるから
あなたの痛み あなたの悲しみ あなたの切なさ やりきれなさ
そのすべてがまっすぐに僕にも伝わる
だから 僕もむやみに君に同じ気持ちを抱かせまいと無理して
悲しいのに笑ってみせたのに
君はなぜか泣いた
気持ちがつながってるから嘘ついてみても無意味なんだね
だけれどあなたの目にうつる僕はいつでも笑ってる僕にしたくて
あなたにだけは悲しみを抱かせたくなくて
あなたの目にうつる僕はいつでも嘘つきなんだ
悲しいのに笑ってるから
巧みにだまくらかそうとしても君にはまるで通用しないのさ
あなたは僕をこう呼ぶ 嘘つきヒーロー
とても優しいけれど
その優しさが他人を助けるこてで自分を犠牲にして自分を傷つけてる
かっこいいように見えてとても悲しい
嘘つきのヒーロー
駆けつけた僕の顔にはいつでもとって張りつけたような笑顔が浮かぶ
拍車をかけるような雨で濡れているその顔には偽れない涙のあとが残ってる
何度でも下手な嘘ついてはバレてなんてこと繰り返す
そんな僕と君の日々
今日も下手な嘘をつき 君の前ではヒーローでいたくて
偽りの笑顔 浮かべ
目障りな涙隠すように 生きる
涙は人知れず。