ホーム > 詩人の部屋 > どるとるの部屋 > 投稿順表示

どるとるの部屋  〜 投稿順表示 〜


[1424] ランプ
詩人:どるとる [投票][編集]


街灯り 消えた 声
昼間のざわめきも嘘のような真夜中
時計さえ眠ってるように 静かな夜

堅苦しい人たちから僕はさんざん逃げ回って
ようやく行き着いたこの部屋
悲しみと喜びはけっしてひとつにはならない
悲しみは悲しみでしかなく
喜びは喜びはでしかないから
同じ風には見れない
だから判断するのは容易なことなのさ

たくさんの涙がこぼれてできた川
そのせせらぎにたまに波紋が広がり僕のマヌケ面から笑顔が消える

燃え盛る命の炎を両手で囲い込み 消えないように 守る
ただ愛想振りまき笑うだけでも お世辞ひとつこぼしてあげるだけでも 十分苦しい世界だから

心の中のランプは揺らめき たまに危うく消えそうになる

でも、なぜか肉体的にも精神的にも楽になるのを心がゆるさず 崖に落ちそうな僕をもうひとりの僕が呼び止める

頭の中の幻燈機がうつしだす影絵みたいな夢も 潤いをなくして枯渇しそうだから
眺めるほどに悲しくなる 廃れた 茶番劇

何度も繰り返し繰り返し巻き戻される
記憶の中のあの場面
消えない ミスカット誰かの 冷たい視線
凍るような笑い声

涙と涙が寄り集まってできた川には 忘れ去られた遠い日の思い出と呼ぶべき記憶が漂流物のようにただよう

燃え上がる火の手に両手をかざして 冷えた手を暖める
ただ愛想振りまき笑うだけでも お世辞ひとつこぼしてあげるだけでも 十分切ない世界だから

心の中のランプは揺らめき たまに危うく消えそうになる

いつかその消える炎は消えるためにあるけど まだ消えるには早すぎるよね

だからこそ肉体的にも精神的にも楽になるのを心がゆるさず 崖に落ちそうな僕をもうひとりの僕が呼び止める

そんな毎日が続くのだろう
そんな夜が窓から忍び込むのだろう

枕元に立つ不安と今にも消えそうでまだまだ消えないランプの炎
今日も密かに燃えている。

2010/05/27 (Thu)

[1425] 呼び声ひとつ
詩人:どるとる [投票][編集]


「雲は雨を呼び
君は僕を呼ぶ」

そのリズムとテンポはほぼ同位置にある

空が曇り 雲が低く垂れ込めれば 雨が降るのなんて時間の問題

君が何か 悲しいことがあればまず先に僕に頼るのがいつもの流れ

だから君は雲のように
雨を呼ぶように
しかるべき運命を
呼び出すべき名前を
口に出す

雨は一例
君に一礼
はい、なんでございますか…
応える僕

雲が雨を呼ぶように
君が僕を呼ぶように
必要な流れを手繰り寄せる

空から雨が降るように
どこからともなく僕が駆けつける

そして雨を降らしたら地面を濡らすように僕も君を悲しませることもあるけど
恵みの雨を降らせることもあるから

僕が駆けつけるのは
無意味なことばかりじゃない
いるだけで安心するならばそれはそれで役立ってる証だから

困ったら何遍でも
気軽に 呼んでね
君がこの世界で一番
おそらく宛にしてるだろう僕の名前を

雨を呼ぶ雲のように
君は僕には雲だから
ほら 雨を降らすように 僕をなにもない景色に咲かせてよ

君の呼び声ひとつで
僕は画面に咲くから。

2010/05/28 (Fri)

[1426] 手のひらダイアリー
詩人:どるとる [投票][編集]


開かないはずの手のひらを開いてみれば
いくつもの思い出が心の中にあふれてる

広く果てしない宇宙をさまよう石のように
僕は今までひとりぼっちで 暗闇を歩いてきたんだ
きれいごとは嫌いだから 思い出をあざ笑うような愛想笑いやお世辞は 抜きで
本当にきれいな思い出だけ 捨てず抱きしめます

ひとりの淋しさを
ごまかすように
おしゃべりすぎるこの僕をどうか
黙らせて 黙らせて

夕暮れの空はオレンジ色で
まるでこんがり焼けたパンみたいで
カフェオレみたいな色をした雲が浮いてる

ああ そんな思い出を笑うことは僕にはできないから
あたりまえな幸せさえも偽らず 本当に幸せだったと思いたい

誰かに伝えるような
言葉じゃないけれど
敢えて口に出す真夜中

その全ては手のひらほどの小さな思い出
だけれどそれにしては眩しすぎる思い出

手のひらの中でひそやかに輝く芳醇なる時の調べ

トゥルリララ
今も心の中に聞こえている

手のひらダイアリー

積み重なっては
やがて
崩れるダイアリー

かぎりなく大切な思い出よ
僕は忘れない
ここにいたこと
ここで笑ったこと

いつか さよなら言う日が来ても
僕は笑えるから
きっと笑えるから

ただ信じよう
こぼれんばかりの
言葉を繋いで
途切れさせないで
明日も詩を書くよ
僕の心に思い出を刻むよ

目にうつるものの
全てが思い出じゃない
耳にきこえたものの
全てが心地よくはない

だから 思い出は思い出と呼ぶのさ

それはすなわち
心を洗うような
折れ曲がってはいても素敵な素敵な思い出をいうのさ

その全ては手のひらほどの小さな思い出
だけれどそれにしては眩しすぎる思い出

手のひらの中でひそやかに輝く芳醇なる時の調べ

トゥルリララ
今も心の中に聞こえている

手のひらダイアリー

美しくあれ。

2010/05/28 (Fri)

[1427] セカイハセカイ
詩人:どるとる [投票][編集]


よくも悲しみさん 今日も僕を泣かせてくれたね。だけどありがとう。おかげで君に慰めてもらえた
喜びさん 今日も僕を救うように笑わせたね
でも本当は悲しみに泣く僕を元気づけさせてくれたのはいつも気づけば隣にいる君だったね

雨が降る街は紫色
さあ 夜の訪れはもうすぐでこの僕の目にうつる全てを真っ黒く染め上げる

今日もどこかできっと誰かが 名前も知らない誰かが
とある悲しみに涙を流し
とある喜びに笑顔を見せて
その中で愛する人に癒されている
本当に幸せなのは愛する人の言葉
見えない優しさ

それが何よりの救いなんだな

ああ 時間だけが過ぎ去ってゆき 時計の針が命を削る そんな気が遠くなるほどの無痛の攻撃

今日もどこかできっと誰かが 名前も知らない誰かが
とある悲しみに涙を流し
とある喜びに笑顔を見せて
その中で愛する人に癒されている
本当に幸せなのは愛する人の言葉
見えない優しさ

それが何よりの救いだった

悲しみさんは
今日もあいかわらずで
喜びさんは
今日も変わらずに
そして君は今日も君で
そんな毎日が素敵だと思える単純な僕も変わらずに僕で

目にうつる世界は
どの角度から見ても
変わらず世界は世界なんだ

今も昔もこれからも。

2010/05/28 (Fri)

[1428] コバルトセンチメンタル
詩人:どるとる [投票][編集]


コバルトブルーに輝く海のような
夜空がこの僕に届ける胸を焦がす切なさ

ひどく安い言葉さ
つまりはセンチメンタルさ

さあ 船を漕げ
まだ先は長いぞ
こんなところで
四苦八苦してたら
未来は暗いぞ

答は今 暗闇の中
真実を見透かすべき探偵みたいに僕は悩み込む

コバルト色した
鮮やかな切なさ
広がる味わい
それはまるでブラックコーヒーのよう

涙の川を不器用ながらも泳ぐ君の姿にもらい泣き

背の高いポールの後ろで涙をぬぐう君の抱えた悲しみを
どのくらい僕はわかってるだろう
そしてどのくらい僕は君を慰めてあげられるかな

たまらず出た言葉は
無惨にも夜に溶けてく

コバルト色した
悲しみが
切なさをリードに繋ぎ散歩させてる光景に 僕は涙するのだ

日常の中のほんのささやかな擦り傷のような亀裂が見えたら
我慢せず 泣きなさい。

2010/05/28 (Fri)

[1429] あじさい
詩人:どるとる [投票][編集]


意中の彼女はとても魅力的でかわいい人さ
休日の昼間には彼女と手を繋ぎデート

背をかがめて のぞき込む 秘密の向こう側
恋の窓から

君は僕にとって誰よりも大切な人だから

じめじめした梅雨時には あじさい咲く道端でも抱きしめたい
抱きしめたいのさ

ものに当たるような
投げやりな恋じゃない

今すぐ君を抱きしめたい!

2010/05/28 (Fri)

[1430] 陰日向に揺れる花
詩人:どるとる [投票][編集]


まだ夜明けには遠い明け方前の真夜中に
なんとなく起きちゃってさ 今から寝直すのもなんか やりづらくてさ
とりあえず 販売機までジュースを買いに行く

裸の豆電球みたいな
心がいつも切ないのさ
もしも僕にも愛すべき誰かがいたらまた違ったのかな

僕はひねくれ者で
天の邪鬼だから
陰日向で揺れる花。

2010/05/28 (Fri)

[1431] うたうようにうたううた
詩人:どるとる [投票][編集]


誰にも届くようなうたと誰にも届かないうたの狭間なんてちっぽけなもので
他人の涙と自分の涙の重さの差を比べるような愚かなことだ

うたうようにうたううただから
時として見る人によっては歌にもなり詩にもなるのさ
それでいい
形なんて決まってない
とらわれたくないのさ

うたうようにうたううたはずっと読みたいと思う人の心の中にだけあり続ければいいんだ
誰かに届けたいと思うその気持ちの矛先は常に読みたい人へ向かってる

だから言葉は時にわがままにもなって自分勝手にもなるのだろう
だけれどそのねじ曲がった邪悪ささえ受け入れてくれるなら
僕はこれからもうたうよ

うたうようにうたううたをうたうよ

この部屋の片隅で
地味に 咲いて
たまに 揺れる位
ひそかに咲くよ。

2010/05/29 (Sat)

[1432] 何を言い訳に明日を抱く
詩人:どるとる [投票][編集]


受け入れたくない現実を受け入れなきゃ
どうしてもいけない時
僕は自分を騙して
受け入れたよ
でもそれは受け入れたあとの今でも悲しいものさ

縛られたくなくて
従うことなんて
それ以上にしたくなくて 何もかもから逃げてきた僕にはひとりがよく似合うかい?

今日も何を言い訳に明日を抱くのか
本当は悲しくて悲しくて明日になんか行きたくないのにね
また僕は自分を騙くらかして明日を抱く

言いたげな言葉の口をふさいで
また言い訳をひとつこぼして
明日を抱くのさ

心に沈む冷たい鉛
いくつもいくつも
積み重なってゆく
それでも受け入れなきゃならない現実だから 僕は言い訳なしには生きられない
弱い生き物なのさ

どうか見逃してね。

2010/05/29 (Sat)

[1433] 月夜とアパート
詩人:どるとる [投票][編集]


なんとなくで乗りきった1日が
なんとなくで暮れて そして 夜になりました
帰り道ひとり背中に孤独を抱えて
もうかれこれ二十年になりますか
時が経つのは早いものですね
もうこんな歳になるのになんだか みんなとは違うようさ
どこかが

それでも いつか僕が追いかけていた光
それは見えず触れられない光だけど
今でも信じてる
孤独をうたう夜も

アパートの階段をコツコツと一段ずつゆっくりのぼれば
一番奥の部屋が僕の部屋さ
ちょうど柵の向こう側 はるか上空には大きな満月ひとつ
ぽっかり浮かんでた

どうにもなんだか
言葉にならないけど
今とても切ないんだよ
揺れる月影と僕の消えそうな影
アパートにて思う

言葉にならないけど
確かな切なさ抱えたまま

ドアを静かに閉めるように目を閉じた夜

歩いてきた道の距離ほどでもない荷物の少なさになんだかもどかしいけど
泣かないよ

なんとなくついてるテレビ
それと似た僕の人生
この先どうなるかな
他人の言葉や意見はいらないよ
ただ僕は思う
アパートにて

ただ死するため生きるように道の途中でふと足を止めて。

2010/05/29 (Sat)
8416件中 (1311-1320) [ << 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 >> ... 842
- 詩人の部屋 -