詩人:どるとる | [投票][編集] |
にこやかなるピエロが手を振る
もちろんそれは愛想笑い さもなければ嘲り
サーカスのような
日常に
サーカスのような
華やかさ
光と影
対になり
踊り狂う
愛想と愛想
嘘と本音
分別のつかぬ
脆弱な誰彼
ピエロは嘘つき
綱渡り上手は世渡り上手
空中ブランコ へたくそなフラメンコ
アンリマティスが描く目も鼻も口もない
人たちにそっくりな
仮面のような冷たい顔で僕を睨む人をひたすら憎む
さあサーカスは
はじまるよ
守りの盾も
伝家の宝刀も何もないまま
生傷がひらくのを
じっと待つように
耐え難い苦しみのその中で
僕は常に裏方
主役は遠い
悲しいサーカス
笑うべきピエロは
泣くしまつ
忌むべきサーカス
楽しむべき人生は
お粗末
そして言い訳は
ため息と混ざり
風に 消えるだけ。
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流行り廃りの早い
この時代では
僕の言葉など
最早時代おくれなのか
技術なんて学んでない
学ぶ気もない
だけれどうまくなりたい
その矛盾が要因かな
僕はただ立ち止まる
夜の片隅 風に吹かれ
影をアスファルトに落として 俯くよ
時代おくれの言葉でもこの僕の言葉の中には涙があって笑顔もあってそして愛があって果てしない悲しみもあるんだ
うたうように
語るように
文字を生かす
生きる言葉で
ひとつひとつ
魂を込めて
世に放つ 時代など
さらさら考えない
僕が描く 僕の世界
嫌いになるならとことん
好きになるならとことん
割り切った結果をどうか。
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夢も理想もない
目標も行きたい場所もない もっぱら何もないつまらない人
そんな人でも愛してくれる誰かがもしもいるなら
全力でそう全力で
愛してあげるのさ
何もない人にだって
心はあるから 人を愛することができる
そして人を守ることができる できる
何もない人だけど
完全に何もないってわけじゃない
心があれば誰かを愛したり守ったりすることができる
そして誰かの笑顔を勝ち取ることができる できる
何もないけど
何もなくない
僕はそういう人
特別なものは何もないけど僕を 愛してくれるなら僕も愛すって それだけなんだ。
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今日も朝が気づけばそこにあって
時間はまるで風のように流れ
昼飯も食って
持て余した時間を
持て余している
悩める人の悩みなどありふれているけど
何よりもそれが
悩みなんだ
悩める人よ ますます悩み 悩める人は悩む
悩めるままに
悩めるままに
悩める人は悩む
それが悩める人。
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路地裏で猫が眠ってる
涼しげな風が吹く夕方
どこからかおいしそうな夕飯の匂いがする
帰り道の途中で
道草する元気もなくなるくらいお腹がへったから
帰りましょう
帰りましょう
エプロン姿のお母さんの背中が軽快にまな板の上 野菜を切る音が聞こえてくる
ああ 特別なものはなにもないけど
ここには一生変わらないただの幸せがある
だから僕は今日もばかばかしいことで笑い
そして生きるのさ
ああ 人生はありふれているほど素晴らしい
今日も夕日が落ちてゆくんだね
そして夜は来るんだね
誰もが夢を見るんだね
だんだん大人になると忘れていくものもあるかもしれないけど
ずっとありふれていることが僕には幸せだから
金持ちとか億万長者とかになれなくても構わないから
そこにある変わらない笑顔と誰かの優しいおかえりの声と美味しい夕飯があればいい
僕を待つような
そんな心の広い
人が僕を愛してくれるならそれは素晴らしい人生だね
周りを見渡しても今はまだ見当たらない胸の打つ切なさが
涙になって流れても
明日を信じて
歩いていこう
ただいまという声を吐き出せば
おかえりという声がかならず返るわけじゃない
僕はひとりだ
だけれど泣かないよ
負けないよ
夕日が沈んで
あの頃みたいにお腹がへったらお家へ帰ろう
寄り道せずに
誰かが帰りを待つわけじゃない ひとりぼっちの毎日だけど
お腹がへったらしかたない
ああ 人生は考え方ひとつで素晴らしい
『なんとかなるさ』
気楽な気持ちでいっそ 歩いていこう
ため息までついてるのに自分を責めたってさらに落ち込むだけだよ
だから嘘ついても
悲しくないよと
ごまかす自分がかわいそうになるんだね
とりあえずはさよなら。
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ホームランは僕にはうてやしない
きっとあきらめるのだけは誰より早い
1日が今日も静かに終わってゆくんだね
目を閉じてしまえば次目を開けたらそこは明日の朝だね
夜の闇の向こうを
見つめて
一番星を見つけてから
寝るのが僕のいつもの習慣なんだ
結果は残せそうにないけど僕なりに頑張ったんだぜ
それだけで笑えるなら幸せじゃないかな
結果がすべてじゃない
大事なのは過程だよ
少なくとも僕には
たとえばノーカウントで終わった9対0の
試合のように
きっと僕の中には
悲しさがどうしようもなく残るけど 残るけど
それでも
誰かが思うより
僕は真剣だったのさ
僕だけが知ってる
決死のフルスイング
目には見えない
血がにじむ攻防
記憶にまで残る傷跡
今も癒えてないんだ
あの涙は僕にしかわからない結果が見えても 走りつづけた者の唯一残せる見えない証なんだ
笑いたいなら笑えばいい
笑わせておけばいい
さんざん走り回ってたどり着いた真夜中に振りかぶる
無音のパントマイムは右中間をぬけるフルスイング
ホームランより
勝ち取るのは難しい
これが僕の言い訳さ
負け犬の遠吠えにしか聞こえないのは
あまりにも僕が不器用すぎるからだけなんだよ。
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言葉はへたくそだけどつまりは僕は君のことを愛してるっていうことさ
右左 上下 東西南北
どこから見てもかわいい君だから
春も夏も秋も冬も
君の美しさはいつまでも永遠にそのままだよ
老いさらばえても
きっと君はきれいさ
僕のこの思いよ
この夜空に届け
運命なんて大げさな話にするつもりはないけど
きっと僕と君が出会ったことは偶然なんかじゃ片づけられない 奇跡にも似た出会いなんだよ
強がっても結局は
一人になると
寂しくって
思わず君の姿を
探してしまう
そして気づけば
また君の隣で笑う僕さ
大好きだから
ずっとそばにいてね
僕と一緒にいることで得することなんてなにもないけど
やっと出会えた
嫌われてばかりの
この僕を愛してくれる人に
君の存在を ただの偶然で片づけるには
あまりにも運命づけられた出会いに思えてしまうことがもう運命なのかな
雨のち晴れを繰り返す毎日で
泣いたり笑ったり
することが素敵に思えたならそれは一人じゃないから
くだらない話題でも
ばかばかしいことでも一緒に笑いあったり一緒に話し合ったりできる人がいるからこその気持ちさ
今まではずっと一人だったからわからなかったよ
ふたりでいることの素晴らしさなんて
神様なんてさらさら信じちゃいない僕だけど
君と出会わせてくれたのがもしも神様だとしたら
僕は迷うことなく
素直にありがとうと言いたい
ああ 今日も夜は暗くてどこか切ないけど
君がそばにいるから
そのさみしさはあるようでないのも同じなんだよ
うまく言えないけど
人と話をするのは
すごく苦手だけど
精一杯伝えます
愛してる。
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素直になれない
この僕を
強がらせるのはなんだろう
たいして強くもないのに態度ばかりでかくって
たくさんの人たちについた嘘や
たくさんの人たちにつけた傷を
思えば申し訳なくなる
素直になれない
この僕を
愛してくれた君は
けっして僕の強がるこの意地っ張りなところを愛したわけじゃない
だから この強がる気持ちを今すぐ捨てたい
でも 僕は弱いから
強がっていなくちゃ
無防備になる気がしてこわいんだよ
強がっても強がってもほんとは当然だけど強くなんかないから
悲しいものは悲しくて
寂しいものは寂しいのさ
愛されたい
素直になりたい
強がりたくない
でも
かばうものがない
そんな気持ちを話したら君は言ったね
これからはわたしがあなたの強がりのかわりに盾になりましょうと
そして僕は言った
それなら僕は君を守る刃になる
強がりはもう必要ない
だって今は君がいるから
心強い味方の盾があるから
強がらなくても
意地を張らなくても
傷つくことはない
泣くこともない
ああ僕などえらくもない
君がいるから僕は笑ってられる
だから僕の全ては君なんだ。
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まだ昨日の悲しみが尾を引いてる
月が雲に隠れて
いつもより暗くて切ない夜
悲しいことを並べればきりがないけど
流す涙のひとつでもあれば誰か心配してくれるかな
そんな世の中じゃないよね
もうすぐ秋の風がこの町にも吹いてくる
そしたらなおいっそう悲しくなる 切なくなる
まだ9月のはじめだというのに
幻聴なのか
冬の足音
雪のように
降り積もる
切なさ ぱらり
残暑がのこりそうな予感が色濃く僕を悩ます
もう明日の悲しみが目に見えるようで
出かける足取りが
ドアを開ける手が
かすかにふるえてる
もうすぐ秋の風がこの町にも吹いてくる
そしたらなおいっそう悲しくなる 切なくなる
まだ9月のあたまだというのに
幻覚なのか
冬の寒さが
氷のように
芯まで伝わる
淋しさ
早咲きの桜のように
その時を待てないせっかちの雪がせめて誰かの心にだけでも降りたくって降り出したような少し生ぬるい優しさ混じる
不思議な切なさ
今 ほほを伝う
朱より淡い薄紅色の涙
まだ9月のはじめだというのに
幻聴なのか
冬の足音
雪のように
降り積もる
切なさ ぱらり
枯れ葉をくしゃりと
踏むような
どこか 鈍い冬の足音
秋より一足早く 訪れてしまった かりそめの寒さが みょうにお人好しすぎて優しくって男泣きしちまうよ。
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僕の中の弱さが最大の強みなんだよ
僕の中の頑固さが唯一の盾なんだよ
僕の中の正義が一番の欠点なんだよ
足したり引いたり
付け加えたり
捨て去ったり
僕は日々新しい僕をつくろうとする
それはけっしていい意味の試行錯誤ではなくいわば実験なんだ
僕の中のケモノを鎮めるための言い訳としてつくり上げた
化け物なんだよ
だからここにいるのは僕であって僕じゃない
ケモノという名の化け物なんだよ。